小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
daima
daima
novelistID. 61590
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

シマダイ! - あの日の しゃーたれっ子 -

INDEX|22ページ/28ページ|

次のページ前のページ
 

「え!?」

「この祖父ちゃんを、俺達で倒そう!」

「お、お祖父ちゃんを倒すって!?」

「だって、全部が勝負っちゅう事は、祖父ちゃんとヨー君だって勝負やん。勝つっちゅうのは倒すって事やろ?」

「う、うん」

「ヨー君が祖父ちゃんに勝つにはどうすればいいのか……立派な社長さんになった時がそうなのか、まだ俺には全然分からへんけど、方法なんてこれからいくらでも考えたらええんとちゃう?」

「僕が、お祖父ちゃんに勝つ……か。ちょっといいかも」

「ヨ、ヨーちゃん……」


ヨー君の言葉に、お母さんが目を丸くしている。


「ハハハ!ハーハッハッハッハッハッハ!ハーハッハッハッハッハッハ……!!」


突然、太く大きな高笑いが玄関ホールに響き渡った。


「お祖父ちゃん?」

「ハッハッハ……面白い!この菱村 陽蔵をお前達が倒すか!そんな言葉、久かたぶりに聞いたわ!小僧っ子、お前名前は?」

「え?あ、島井……島井 大地……です」

「そうか、大地か……名は体を表すと言うが、お前にピッタリのいい名前だ。ご両親に感謝しなさい」

「はい……」

「陽一郎!」

「は、はい?」

「いい友達を持ったな。お前は父親に似て、どうも優しすぎていかん。この大地君から、負けん気を学びなさい」

「うん、ほんとそうだね……。ありがとう、お祖父ちゃん」

「よし、では帰るとするかな、今日は愉快な日じゃった……。あ!そうじゃ大地君、今度は陽一郎と菱村屋本館に来なさい」

「ほ、本館ですか?」


大きな声を出したのは、意外にもお母さんだった。それもその筈、菱村屋本館は一見さんお断り、VIP御用達の超高級旅館なのだ。そこに子供が遊び来た試しなど無いに等しかった。


「いいんじゃいいんじゃ、ワシが将棋で勝負の何たるかを教えてやるわ!」


お祖父ちゃんはそう言うと、ドカンとドアを閉めて帰って行った。


「あ、嵐みたいな人やなぁ〜」

「う、うん……でもありがとう。あんなお祖父ちゃん初めて見たし、何だかスッキリしたよ」

「よかったわ、一つくらいは外せたみたいやな」

「ん?何のこと?」

「イヤイヤ、こっちの話こっちの話……あ!ちょっと待って。ちゅうか祖父ちゃん、あの階段を一人で上がってきたんか?」

「そうなんだよ、タフすぎだよね……ハハ」

「敵わんな〜、……あ!!」

「今度は何? ……あ!!」

『ヒガヤン忘れてた!!』



二階に上がると、ヒガヤンはヨー君の部屋で一人爆睡していた。片手にはピラミッド時計……。

早くに亡くなったヒガヤンのお母さんが、目が不自由だった事を思い出した。心優しいヒガヤンの事だ、あの頃にこの喋る時計があれば……なんて思っているに違いない。

俺はもう少しだけ、ヨー君にヒガヤンを起こさないように頼んだ。


きっと今頃お母さんに『いい時計があったんだよ』って渡してる最中だと思うから……。