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ゴジラ

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3. Pyongyang



 ゴジラの進撃と作者の悪ノリは続きます。
ゴジラは38度線を目指して北進を続けます。



「英明にして偉大なる領導者様!ゴジラがわが国に侵入してまいります!」
「ゴジラだと? ゴジラとはあのゴジラか?」
「そのゴジラです!」
「映像は見られるのか?」
「はい、ただ今!」

「ギャオォォォォォォ!」
 天を切り裂く咆哮、地を揺るがす足音。
 その鋭い眼を爛々と光らせたゴジラは、今正にイムジン川を渡り終えた。

「カッコイイ……」
「英明にして偉大なる領導者様、いかがいたしましょう?」
「あ……うん……もう少し見ていたいが……」
「ではそのように?」
「いや、そうも行かんだろう、ノドンを用意しろ」
「38度線付近には何時でも撃てるように常備しておりますので、今すぐにでも攻撃可能です!」
「では撃て! 不届きな怪獣に無慈悲な鉄槌を加えよ!」
 
 ノドンが次々と発射され、ゴジラに向かうが、ことごとく熱線で撃ち落されてしまう。

「英明にして偉大なる領導者様! ダメです、効きません!」
「ならば核弾頭を使え、撃ち落したところで核爆発に巻き込まれて終わりだ」
「しかし、それでは周辺の住民が……」

 ギロッ。

「……発射します……」
 
 英明にして偉大なる領導者の目論見は当り、大爆発がゴジラを包み込む。

「やったか!?」
「はい……あっ!」
「どうした?」
「ゴジラは止まりません! それどころか少し大きくなっています!」
「そうか、しまった、ヤツは核エネルギーを食らうんだった! 親父がコレクションしていたDVDで見た覚えがある」
「英明にして偉大なる領導者様、次の手はいかがいたしましょう?」
「テポドンだ! テポドンにありったけの核弾頭をつけて撃ちこめ! 核エネルギーを過剰に摂取すればヤツはメルトダウンを起こすはずだ!」
「しかし……」
「国民がどうした? 構うものか、平壌が、この俺が無事ならそれで良い、英明にして偉大なるこの俺こそが国家なのだ!」
「しかし……」
「この俺に口答えするか!」

 Bang!

「お前はやってくれるだろう? 今のヤツのようになりたくはないな?」
「はい……英明にして偉大なる領導者様……」
「よし、テポドン発射!」

 ポチッ。

「英明にして偉大なる領導者様!!!!」
「今度は何だ?」
「テポドンが……テポドンがこちらに向かって来ます!!!!」
「どういうことだ!?」
「元々制御不十分なところへ過積載でコントロールできませんっ!!!!」
「何故撃つ前にそれを言わんっ!!!!!?」
「先ほどの同志もそれをお伝えしようと……うわぁああああっ!!!!」


作品名:ゴジラ 作家名:ST