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大いなる神の愛に包まれて

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モンスターペアレンツ共の餌食になって気を病んで校舎の屋上から飛び降りるがいい!
アイツのガキ共も一生いじめにあい続ければいい!
死ぬ必要はないさ・・一生いじめられ続けろ!
私をバカにし続けたうすのろ課長・・私がコツコツ金を隠していたのも気がつかなかっただろ?
そんなことも気がつかなかったお前の方が馬鹿なんだよ!管理責任をとって会社をクビになればいい!おまえなんか雇ってくれる会社なんかあるもんか!家族を路頭に迷わせて!はは一家心中でもするがいい!
田舎のホスト・・おまえ・・ちいさいんだよ。
ちいさいペニスを寒空に晒したまま・・あぁ・・あんたはもう凍え死んじまってるか・・
カズミ・・慎二を誑かした泥棒ネコ・・なにがあっても許しはしない。
小顔で今風なメイクをした・・若ければいいってもんじゃないんだ・・
あんたのバカさは・・演じているバカさじゃないから・・天然・・・って笑えるレベルじゃないから・・
バカな割に黒いお腹を綺麗にした方がいいわよ・・お風呂用の洗剤とかきれいに落ちるから一本ほど
一気に飲み干して御覧なさいな!
ハハハ!
この世なんて潰れてしまえばいい!
この富士山が爆発して、フォッサマグナが列島を分断してしまえばいい!
多くの人たちが溶岩に焼かれ、津波に飲まれ、泣き叫び恨めしい思いを残したまま死ねばいい!
なにが消費税だ!なにがアベノミクスだ!
こんな国、もういちど原発事故を起こして放射能塗れになればいい!
キムチ臭い半島人は二手に分かれて殺しあえばいい!
あんな巨大な国がひとつで居られるわけはないんだ!分断し争い殺しあうがいい!
そういう歴史をたどってきたじゃないか!三国志のやり直しだ!
シェールガスなんかで粋がってんじゃないよ・・不均衡は混乱を招くものさ・・
ルーブルは暴落し、産油国は干上がって・・やがて新たなイスラム国のような動きにつながるのさ!
さぁ、憎しみあえ!殺しあえ!他人よりもまず自分の家族から!親兄弟、一族で殺しあえ!
そして街中で殺しあえ!最後の一人になるまで殺しあうがいい!

私の願いは膨らみ続けた。
すると大いなる闇と仕える者たちは不気味な歓声をあげて喜んだ。
そのおどろおどろいい歓声は上空に浮かぶ満月にも届いたようだった。
月明かりは一瞬にして赤黒い錆びたような色に変色した。
私の願いは止まらない。

慎二・・私が唯一信じた男・・
おまえの為に私は・・身を粉にして働き、そして給料の大半をおまえの研究に・・はたして本当に研究なんかしていたのか・・疑わしいもんだ・・ふたりの将来の為の事業だと?
殺しても殺したりないだろうよ・・おまえは。
アイスピックで顔面を何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も何度も・・突き刺してやりたい!
喉を、胸を何度も何度も何度も・・突き刺してやりたい!
耳たぶを、目ん玉を何度も何度も何度も・・突き刺してやりたい!
血塗れになって苦しんでいても何度も何度も何度も・・突き刺してやりたい!
息が止まりそうになって命乞いをしても何度も何度も何度も・・突き刺してやりたい!
いやぁ簡単に殺しはしない!
気を失う手前で止めてやる。
そしてじっくりじっくり一滴一滴、血がしたたり落ちるたびに近づく死を感じるがいい。
だが・・輸血してやるさ。
可能な限り輸血を続けて・・血が自分の体から流れてゆく時間を引き延ばしてやる。
後悔の念など聞きたくもない。
命乞いなど聞く気もない。
じわりじわりと死んでゆくがいい!

私の周囲を取り囲んだ闇の従者たちは私の膨張する願いに合わせるように不気味な呪文を唱え始めた。それは大いなる闇を賛美する詞の詠唱のようにも聞こえた。

おまえの願いは・・叶うならば・・呪いと云われよう。おまえの神に祈るがいい。

私の目の前に立つ大いなる闇こそは・・神なのだ。
畏怖と畏敬の念を抱き、全てを捧げよう。
私の神。
我が神に私に残されたすべてを捧げよう。
欲するなら我が命を、そして我が魂を。
私は自分の足が樹木になっていくのを感じた。
あぁ我が神よ、あなたの大いなる愛に包まれて。
私は残された全てをあなたに捧げよう。

周囲の詠唱に合わせて我が神の名を呼ぶ。

いぃあぁ、いぃあぁ、ふたぐん、よーぐそとーと
いぃあぁ、いぃあぁ、ふたぐん、よーぐそとーと
いぃあぁ、いぃあぁ、ふたぐん、よーぐそとーと

そのとき私の背後で聞き覚えのある人間の男の声がした。
「ミズキ、ごめん、僕が間違っていた!」
それは慎二の声だった。
振り返ると慎二が手を差し伸べてきた。
「さぁ・・帰ろう!捕まって!」
私はあっけにとられながらも、手を伸ばした。
そして慎二の手を掴んだ。
渾身の力を込めて慎二の手を引っ張った。

私のところまで堕ちて来い!

私の足元に転がった慎二に、大いなる闇の神は原始的な欲望の滴りを垂らした。
我が神よ、我が供え物をご堪能ください。
闇の奥の鋭い牙は慎二の身体をバキバキと音を立てて味わわれた。
どす黒い血だまりが地を這う大樹の根に見る見るうちに吸い取られてゆく。
慎二だったものの欠片がこの木の滋養となり吸い取られてゆく。
そして更に枝を大きく張り出して影を大きくしてゆく。
肥え太った大いなる闇の神は夜の樹海の地面に響くような歓喜の野太い声を挙げた。
いまこそ、我が神を讃えん。

いぃあぁ、いぃあぁ、ふたぐん、よーぐそとーと
いぃあぁ、いぃあぁ、ふたぐん、よーぐそとーと
いぃあぁ、いぃあぁ、ふたぐん、よーぐそとーと