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di;vine+sin;fonia デヴァイン・シンフォニア

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 信じたくはなかった。でも、どう考えても、メイシアにはその答えしか見つけることができなかった。
 心臓が締め上げられるように痛む。瞳に涙が盛り上がりそうになるが、そんな貴族(シャトーア)の令嬢めいたことは、もはや自分に許されることではない、とメイシアは必死にこらえた。
「さて? 私は当事者じゃないから真実は知らないわ。ただ、夫と愛息を囚われた女が脅迫されたとすれば、義理の娘が二の次になったとしてもおかしくないわね」
「……」
「誰かのために誰かを犠牲にするのは、恥ずかしいことじゃないわ。――そして、私も、ね?」
 シャオリエの言葉に微妙な色合いが含まれ、メイシアの背に戦慄が走った。
「もともと斑目は鷹刀と対立している。隙あらば、と仕掛けてくる。今回だって、斑目は初めから鷹刀を狙っていたのかもしれない。――けれど、貴族(シャトーア)の娘が凶賊(ダリジィン)を訪れるなんて、あり得ない蛮勇を犯さなければ、鷹刀は平和なままだった」
 獲物を狙う、獣の目。アーモンド型の瞳には剣呑な光が宿っていた。
「私は、お前が嫌いではないわ。むしろ好ましいと思っている。……けれど、これからきっと、鷹刀は罠に落ちる――お前のせいで」
 シャオリエの視線がまっすぐにメイシアを射抜いた。
「……だから、その前に。私はお前を排除する」
 しっとりとした心地のよい音質。しかし、完全に感情を取り払った声であった。
 個人的な恨みではなく、ただ鷹刀一族の行く末のためだけに、シャオリエはそう宣告した。