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物好き…

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「…また、来てくれたの?」

 翌日の夜中。

 公園に現れた葉月さんに、お菊さんは歓喜します。

「結局昨日…走って逃げて行っちゃったんで、もう会う事もないのかなって思ってた♪」

「し、心霊研究会員として あるまじき行動を取ってしまい、恥ずかしいと思っています」

 意味不明な謝罪をする葉月さん。

 お菊さんは、その背後に 同行者がいる事に気が付きます。

「…1人じゃ、ないの?」

「話をしたら…自分も是非とも見たいと言うので、連れて来たんですが…ご迷惑ですか?」

「そんな事ない!」

 興奮したお菊さんは、葉月さんの両手を握りました。

「見てくれる人が多い方が、出る張り合いがあるから、どちらかと言えば 大歓迎!!」

「幽霊さんは…みんな そんな感じなんですか?」

「さあ、どうなんだろう──」

「ところで…時間、ぼちぼちでは??」

「ホントだ…じゃあ、頑張って幽霊 してくるからね!」

「今日は、走って逃げたりしませんから。」

 ニコニコ顔で頷くお菊さん。

 その姿が、忽然と消えます。

 井戸に現れる、着物姿の幽霊。

「…1枚…2枚…3枚…」

 前日と同じように お皿を数え始めます。。。

作品名:物好き… 作家名:紀之介