赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 6話から10話まで
赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (7)
お座敷舞の名手・豊春
春奴はいまから20年前。最後の芸妓を育てあげた。
それ以降、ひとりも育てていない。
それから20年。ひとりで暮らしながら置屋と、現役の芸妓を続けている。
共同生活を終えた芸妓は、独立して自活の道に入る。
しかし長年にわたり寝食をともにしたお母さんと、縁が切れた訳ではない。
師弟関係はその後も、終生にわたり続いて行く。
深川芸者としてスタートした春奴は、まもなく、芸歴50周年をむかえる。
デビューしたのは12歳の時。そして、これまで育て上げてきた芸妓は
ぜんぶで6人。
1番弟子にあたる豆奴は、辰巳芸者時代の妹芸妓。
湯西川温泉へ春奴が移るとき、豆奴は、勝手にあとをついてきた。
花柳界の姉妹の契りは、実の姉妹より縁(えにし)が深い。
作品名:赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 6話から10話まで 作家名:落合順平