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尖閣~防人の末裔たち

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 そしてこれまでの尖閣諸島問題でアメリカが本格的に介入してこない点も我々は気をつけるべきです。尖閣諸島が日米安全保障条約の範囲に含まれていると表明しながら、それ以上の牽制をしない。目と鼻の先の沖縄には、溢れんばかりの米軍が駐留しており、横須賀には、第7艦隊までいる。そして日本の至る所に大小様々な米軍部隊が駐留しているのにも関わらず。。。「思いやり予算」という意味の分からない名前の米軍への資金援助は何のためなのか?結局日米同盟で、米軍の駐留のために税金をつぎ込み、周辺住民が様々な制約・環境の悪化に我慢をし、時には理不尽な犯罪の餌食になりながらも耐えてきたのは何のためだったのか?国民は気付くべきです。自分の国は自分で守るしかないんです。アメリカは自国の利益のために動きます。いや、アメリカだけじゃありません。国家とはそういうものです。しかし、この尖閣諸島問題でアメリカは、日本を守ることと中国との関係を天秤に掛けて、中国との関係に利益があると見出したということなんです。日本が犯罪者である中国漁船の船長を釈放したのも根本は同じことです。日本もアメリカも経済的な面で中国に入れ込みすぎたということなんです。特に日本は、いくら隣国といえども、日本に対して問題を抱える国とは強い経済関係を結ぶべきではないんです。アメリカもそうです。何をするか分からない。急に豹変するかもしれない人に台所を任せているのと一緒なんですよ。いざという時に中国に対して何も出来なくなる。ですから、冷戦時代の方が経済は安定し、上手く世の中が回っていたんです。少なくとも、仲間同士で台所を預けあっていた。あ、話が経済の方にずれてしまいましたね。
 古川さんにはありのままに書いて下さい。と申しておりましたが、この実情を少しでも織り込んで頂ければ幸いです。」
相槌を打ちながら神妙な面持ちでメモを取っていた古川はメモを閉じながら
「分かりました。私もお話を伺って仰るとおりだと思いました。必ず書かせて頂きます。今回はありがとうございました。」
「いえいえこちらこそ。次回もお越しいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。連絡はなるべく早めに入れるようにしますので」
 そういいながら河田は右手を古川の前に差し出す。
「こちらこそよろしくお願い致します。」
 古川はその手を握り返した。
作品名:尖閣~防人の末裔たち 作家名:篠塚飛樹