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尖閣~防人の末裔たち

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「おいおい、田原君、市街戦は不味いぞ。ほどほどにな。よし、その方向で行こう。手配をよろしく頼む。それにしても、「いそゆき」艦長にインタビューなんて、なかなか大胆なことをするな。」
 話が一段落して気が落ち着いたのか、河田が水割りに手を伸ばす。既に氷は溶けていたが、旨そうに口に含みながら田原に尋ねる。
「なんでも「いそゆき」艦長の息子が負傷した海保のパイロットだそうです。それで週刊誌向けの記事のために取材をセッティングすると権田さんが言ってましたね。」
 田原も水割りを口にすると、グラスの結露で濡れた手をハンカチで拭った。
「そうか。。。身内を撃ってしまったのか。。。
確か艦長は倉田だったよな。すまないことをした。でも命を落とさずに済んで良かった。」
河田が声を落とした。
「そうですね。あいつの息子が海保のパイロットだったなんて、世の中狭いもんですな。。。とにかく死なずに済んだのがせめてもの救いです。
それにしても、弾丸が写真に写るなんて。。。ついてませんな。」
 田原は両手で覆ったグラスに目を落とすと、溜息をついた。

作品名:尖閣~防人の末裔たち 作家名:篠塚飛樹