螺旋世界
第二話「理由」
案内係に言われたとおりに城の前まで来た。
「それにしても現実の実感がわかないな」
普段とは全く違う景色。本当にゲームの世界に入り込んだみたいだ。
「どうぞ、こちらへ」
門番の人だろう。城の中へ入るように促された。
城の中に入るとますます現実だと信じられないほどゲームの世界に入り込んだみたいだ。
「奥の扉から部屋の中へ入ってください」
俺はそのまま部屋に入った。
部屋に入るとたくさん人がいた。奥には壇上があった。
ここにいる人も俺と同じで無条件に集められた人たちだろう。
ドンッ
「あ、すいません」
「いえ、私もよそ見してました」
同年代っぽい感じの女の子だ。だけど、どこか冷たい感じがする。
「あなたもここに無理やり連れてこられたんですか?」
「私? 私はPCにファイルが表れてクリックしたら...」
「あ、俺も同じです」
「やっぱり同じ」
「同じって?」
「ここにいる人たちに原因を聞いて回ったけど皆連れてこられた手順は同じだってこと」
「もしかして世界中にファイルが撒かれてクリックしてしまった人がってことかな」
「世界中に撒かれたならここにいる人数じゃ少なすぎる。ある程度条件があったはず」
「ここにいるのはざっと100人くらい。アメリカ人も中国人もいろんな人種がいる」
「あ、そうだ、名前。自分は蛍(けい)っていいます」
「私は のあ」
パッ
電気が消えた。その後壇上に向かって光が伸びる。
壇上には人がいた。
「ようこそ。我が星へ。私は貴方たちの支配人です。この星の話はまだ何も聞いていないでしょう。今からなぜあなたたちが必要なのかを少し話したいと思います。」