螺旋世界
段々と目が開けられるようになってきた。
「ん?あれ。どこだよ!ここ!」
俺は今、外?っぽいところにいる。あれ、外?なんで?
意味が分からない。目の前にはでかい城がある。いかにもRPG風な城だ。かっこいい。
振り返ると町があった。
人もたくさんいた。
俺は今どこにいるんだ。頭の整理が追い付かない。これは夢なのか?夢だと信じよう。いや、そうしなければだめだ。これは夢、これは夢、これは夢......
「あの...」
「ひゃいっ」 しまった。声が裏返った。誰だよ。なんで今俺に声かけてくるんだよ。
あっ、振り返ると驚いた顔をした女の人がいた。
「あの、けいさん。ですよね?」
「は、はい。そうですけど。」
「私、案内係の エスピラル です。ここに来る前にゲームを起動しましたね?そのゲームを起動した人たちを集めてこの世界を救ってもらうということが前提です」
「え?なに?なんで俺?」
「今あなたがいるところは幻想空間でも夢でもありません。地球とははるかに離れた惑星の一つです。ですが、存在する周波数が違うのでこちらの周波数にアクセスしてもらうためにゲームという形で送らせてもらいました。完全ランダムに集めました」
「ってことは、ここは現実?」
「はい。簡単に言えば現実です。なので、こちら側であなたが死んでしまえばもとの地球でも死んだ扱いになります」
「そんな。無責任な。」
「十分承知しております。しかし、それなりの見返りはあります。まずは、あちらのお城の中に入ってもらって詳しい話を聞いてください」
ちくしょう。なんで俺が。まぁでもここで喚いても何もならなそうだし、従うか。
「わかったよ。あの城に行けばいいの?」
「はい。ご健闘を祈っております」
俺は城に向かって歩き出した。
それと同時に後戻りできない、そしてその奥に潜む何か不穏なものを感じた。