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戒厳令都市デタトンの恐怖

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 「ダメですわん。まだ、キミの身体と魂は地獄に向かっているのですわん。
クマの看護婦さんは言った。
 「今度は、どんな魔族の身体が、望みなの」
 レクリエーターは言った。
 「スカイ・ザ・ワイドハートとコロナ・プロミネンスを殺せる、強い魔族の身体だ」
 ジョイシャーは言った。
 「ですが、あの二人は強いですわん。前のキミの魔族の身体「遊戯の達人」を破壊したのですわん。ただの戦士と魔法使いでは無いのですわん」
 レクリエーターは言った。
 「あのダンジョニアン城の戦いで、ボクの使った、アンチ・マジック・フィールドと、フィジカル・リフレクトを同時に使う高等ズル呪文「絶対安全」をコロナ・プロミネンスに破られた事は間違いない。だが、なぜ、たかが十七年しか生きていない、コロナ・プロミネンスが、三百年以上生きて魔法の研究を続けていた僕の魔法を破ったのか理解が出来ない」
 ジョイシャーは言った。
 「それは、問題ですわん。院長に知らせなければダメですわん。ドゲッサー計画に支障が出るかも知れませんわ」
 レクリエーターは言った。
 「ボクは院長に合わせる顔が無いよ。ダンジョニアン男爵の迷宮競技を終わらせてしまったんだ」
ジョイシャーは言った。
 「でも、大丈夫ですわん。スロプ王国のスラーレ王の友達である、ウカーレ伯爵を通してドゲッサー計画に組み込まれているのですわ。全ては、あの御方の御心のままにですわん」

ガミオン大臣は、ロマシク・ボンドネードの前で、のたうち回っていた。
ガミオン大臣は言った。
 「苦しい!痛い!身体が痛い!ウンダバッタラ病の発作だ!苦しい、苦しい!助けてくれ!Dr.パンプアップ・ハイ、ジョイシャー!薬だ!発作を抑える薬をくれ!」
 だが、ウンダバッタラ病は治療薬の無い病気だった。
 ガミオン大臣は、のたうち回るしか無かった。
 ウイッキイド・ゴーストの局長「W」は小声で言った。
 「ロマシク・ボンドネード。ガミオン大臣のウンダバッタラ病は内臓にまで進行しているんですよ。あまり強力なペイン・キラー(痛み止め)の薬を注射すると、内臓が動かなくなってしまいます、つまり死にます」
 ガミオン大臣は言った。
 「苦しい!苦しい!何でもやる!ミドルン王国でもくれてやるから!この痛みから救ってくれ!助けてくれ!」
ロマシク・ボンドネードは、ウイッキイド・ゴーストの局長「W」と一緒に黙って見ていた。
突然扉が開いた。
 カッシーが右足を上げて左脚を軸にグルグルと回転して入ってきた。
 カッシーが言った。
「アハハハハハ!叔父さん見てくれよ、今日のオレの髪型、刈り上げて超涼しげで、ハンサムぅー!これでMHKに出なきゃ!」
 モルガの声がした。
 「カッシー、バカ!ガミオン大臣閣下の前だぞ!」
 カッシーは言った。
 「アハッ!それが、どうしてマズイの?ガミオン大臣もオレの筋肉の魅力で、うっとりハッピーになるさ!」
 モルガは言った。
 「だまれカッシー!」
 モルガが、カッシーの身体に背後から飛びついてチョーク・スリーパーを掛けた。
 カッシーは言った。
 「ダメだよ、モルガ。オレは筋肉格闘技「トロール流マイト&マッスル武闘技」の使い手だぜい!そんな、チョロいチョーク・スリーパーはオレ様の首の筋肉で防げるんだぜい!フン!「超力筋弾」!」
 カッシーの身体の筋肉が、膨れあがった。
モルガは言った。
 「うおっ!」
 モルガは吹き飛ばされた。
 ウイッキイド・ゴーストの局長「W」がロマシク・ボンドネードに眼で合図した。
 ロマシク・ボンドネードは頷いた。
 手にエターナル魔法の雷光球を作って一気に「スタン」の魔法をカッシーに放った。
 雷光球から極太の雷光がカッシー目がけて走った。
 カッシーは言った。
 「うぎゃっ!」
 そして全身が黒焦げになった。
 モルガは言った。
 「伯父貴、カッシーを殺したのか?」
ロマシク・ボンドネードは言った。
 「いや、あれだけ頑丈な身体だ。アンペアを上げて、ボルトを上げたが死んでは居ないだろう。モルガ。カッシーを引っ張って行け」
 モルガは言った。
 「判ったよ伯父貴。だが、カッシーは図体が、でかいだけ在って重いよな。腰痛めたら女戦士続けられないだろう」
 モルガは、黒焦げになって白目を剥いているカッシーの足を持って引っ張って行った。
 その間、ガミオン大臣は、のたうち回っていた。
 ガミオン大臣は言った。
 「苦しい!苦しい!助けてくれ!助けてくれ!早く、Dr.パンプアップ・ハイとジョイシャーを呼んできてくれ!」
 だが、二人の闇医者、Dr.パンプアップ・ハイとジョイシャーの行方は、掴めなかった。どこかに逃げ出した事は間違いないが、ウイッキイド・ゴーストの局長「W」も捜したが、見つからなかった。

 これからデタトン問題対策委員会の解散式を行うためにロマシク・ボンドネードは、フラワービレッジ村立体育館の壇上に立っていた。
 デタトン市に突入し、残った冒険屋達は二十一名。他は皆、デタトン市の中で行方不明か死亡していた。
 ロマシク・ボンドネードはステージの演壇に立った。
「私が、デタトン問題を解決したデタトン問題対策委員会の会長ロマシク・ボンドネードである。諸君等の働きは、めざましく。難攻不落の手強い、デタトン問題を解決する事に寄与した。勿論、功績はデタトン問題対策委員会の会長を務めている、このロマシク・ボンドネードのモノであるが。諸君等が現地のデタトン市で働いた事は大きな力となり、デタトン問題を解決する事に成功した。デタトン問題を引き起こした、デタトン製薬の研究主任、ケイミー・ボーリズは過失責任によって、死刑か無期懲役か、これからミドルン王国政府が原告として裁判に掛けられる事になる。ケイミー・ポーリスの愚かな行動が、このデタトン問題を引き起こした事間違いない…」

 ローサルは壇上に立つロマシク・ボンドネードを見ながら内心笑っていた。
 ついに、「呪いの渦」の部下と接触することが出来たのだ。「呪いの渦」は絶望と頸木の王をコモン全土を支配する大帝国の皇帝とした。ローサルは王になるという昔からの野心を果たすために、大きな前進をした事になる。
 王になる野心を果たすために「呪いの渦」の力を得る事は間違いなく大きな前進のはずだった。
 Dr.パンプアップ・ハイが言った「ドゲッサー計画」が、どのようなモノかはローサルは何も聞いていなかった。だが、「呪いの渦」の部下は、これからローサルを権力へと導いてくれるはずだった。
ロマシク・ボンドネードは言った。
「……それでは、デタトン問題対策委員会の解散式を終了する」
フラワービレッジ村立体育館で解散した。

ローサル達キャンディ・ボーイズの四人は、ターイが運転するフラクター選帝国製のエアカーの駐車場所まで歩いて行った。
ローサルは言った。
 「ガミオン大臣は、もう長くないな。国庫金使って、「不老不死の秘薬」の研究をするなんざ、正気の沙汰じゃねぇや」
 ターイは言った。
 「昔は、それなりに優秀な大臣だったらしいのですが。私の生まれる前の話ですよ」
 シャールは言った。