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戒厳令都市デタトンの恐怖

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 「あっはん、待っているのですわん、今、私が、レバーを引くのですわん」
 ジョイシャーは、金髪のクローン体が入った、ガラスの容器の下に在る「強制排出」と書かれたレバーを引いた。
 ガラスの容器は盛大に開き、中に入った培養液を撒き散らした。
 Dr.パンプアップ・ハイとジョイシャーは薄ら笑いを浮かべて居た。クマの看護婦さんはヌイグルミの顔のままだった。
 中に入っていた金髪の若い男が、ゆっくりと立ち上がった。
Dr.パンプアップ・ハイはニヤニヤしながら言った。
「いやあ、レクリエーター君久しぶり」
ジョイシャーは言った。
 「そうですわん、あっはん、うっふん」
 クマの看護婦さんは言った。
 「ダンジョニアン城の最後では、見殺しにしたけれど、院長に怒られちゃった」
 レクリエーターは言った。
 「ムカデ紳士、じぇりーマン、ステディ・ベアーか。ボクは一体、どうなったんだ。最後に、スカイ・ザ・ワイドハートとコロナ・プロミネンスと戦って、ボクはスカイ・ザ・ワイドハートの火炎剣で殺されたんだ」
Dr.パンプアップ・ハイはニヤニヤしながら言った。
 「いやあ、つもる話しは後回しにしようか。キミが死んでいる間にも、世の中は色々と動くモノなんだよ」
ジョイシャーは言った。
 「院長のドゲッサー計画が、あの御方に採用されたのですわ。私達もムンラ、ムラムラの忙しさですわ」
クマの看護婦さんは言った。
 「人間が来た。四人よ」
 Dr.パンプアップ・ハイはニヤニヤ笑いながら言った。
 「いやあ。それじゃあ、ボクが相手をして来ようかな。キミ達は、先に行ってくれないかな」

 ローサル達キャンディ・ボーイズの四人は、
走って、四人の怪人達の前に行った。
 だが、巨大なテディ・ベアと巨大な胸の白衣の女、裸体の男は歩いて立ち去っていった。
 マッチョの金髪のサングラスを掛けた男が、白衣の前をはだけて、割れた腹筋を見せてニヤニヤと笑っていた。そして葉巻を取り出すと、両端を噛み切って、四十センチぐらいの火柱の出るライターで点火した。
 葉巻からドクロ型の煙が出てきた。
ローサルは剣を抜いた。
 ローサルは言った。
 「オマエは何者だ」
マッチョの白衣は言った。
 「ボクァ、Dr.パンプアップ・ハイと呼ばれる仁医だよ」
 ローサルは言った。
 「オレと取引をしないか」
ソフーズは言った。
 「何言っているんだよローサル」
 ターイは言った。
 「そうです」
 シャールは言った。
 「コイツは、ただのスラッシャーじゃ無い。このデタトン市のデタトン製薬の第一研究所に居る。大物だ」
 ローサルは言った。
 「大物だからこそ用がある」
ターイは言った。
 「確かに、そうですが、スラッシャーと取引をするのは賢明ではありませんよ。彼等は悪を為すことに喜びを感じているだけの無法者達です」
ローサルは言った。
「オレは「呪いの渦」に用がある」
Dr.パンプアップ・ハイは笑いながら言った。
 「ふーん、そうなんだ。それじゃ、二人きりでデートしようか」
 Dr.パンプアップ・ハイはドクロ形をした煙をローサル達に向けて放った。
 ソフーズとターイは、刺突剣と、鉄節鞭で、ドクロの煙を払おうとした。シャールは雷光を放った。
 だが、ドクロの煙は、分裂して、ソフーズとターイとシャールの頭を包んだ。
ソフーズ、ターイは、シャールは倒れた。
ローサルはソフーズ、ターイ、シャールを見た。
 ローサルは言った。 
 「何をしたんだ」
 Dr.パンプアップ・ハイは笑いながら言った。
 「君と僕はデートをするんだろう?あの御方について話すときは他言無用さ」
ローサルはソフーズ、ターイ、シャールを見て言った。
 ローサルは言った。
 「三人は死んでは居ないんだな」
 Dr.パンプアップ・ハイは言った。
 「まあね。ちょっと魂を肉体から分離しているだけさ。キミの眼には見えないだろうけれど、魂が肉体と、かろうじて繋がっているのさ」
ローサルは言った。
「お前は、「呪いの渦」の手下か」
 Dr.パンプアップ・ハイは笑いながら言った。
 「うーん、ボクァね。スプラッター芸術のアーティストなんだよ。ワーワー、キャーキャーみんなで騒いでボク一人で盛り上がるのが好きなんだ」
 ローサルは言った。
 「俺は権力が欲しい。「呪いの渦」に会わせてくれ」
 Dr.パンプアップ・ハイは言った。
「あー、君ネェ。簡単に、あの御方の名前を口にしちゃいけないよ。あの御方は、何をするのか誰にも想像は付かないんだからね」
ローサルは言った。
「世の中のスラッシャー達の中には、「呪いの渦」の手下を名乗る連中は多い。だが、本物のスラッシャーの中のスラッシャー「呪いの渦」の手下は居ない」
 Dr.パンプアップ・ハイは言った。
 「うーん。そうだよ。ボク達は、構わないけれどね。子供の頃に、ごっこ遊びをするだろう?だから、あの御方の手下ごっこをする、少し頭の弱いスラッシャー達も可愛い物さ。ボク達は彼等の悪さを温かく、保護者として見守っているんだよ」
ローサルは言った。
 「お前は本物なんだな。本物の「呪いの渦」の手下なんだな」
Dr.パンプアップ・ハイは言った。
 「なぜ、そう思うのかな?」
 ローサルは言った。
 「これだけ、大きな、戒厳令が行われるような大問題を起こす事は、普通のスラッシャーじゃ無理だ。必ず。「呪いの渦」が絡んでいるはずだ」
 Dr.パンプアップ・ハイは言った。
 「なかなか鋭いねキミ。だが、少し違うんだな。普通のスラッシャーが、この戒厳令都市デタトンを生み出したんだよ」
ローサルは言った。
 「どういうことだ」
 Dr.パンプアップ・ハイは言った。
 「それはね、簡単な話なのさ。ボク達は、大量の薬を作り出す事が出来る施設を持っている、このデタトン製薬に、ある薬の製造を依頼したんだ。だが、頭の弱い錬金術師のケイミー・ボーリズというデタトン製薬の研究員が、ボク達が製造を依頼した、ある薬を自分で使ってしまったんだ」
ローサルは言った。
 「それで、このミュータント騒ぎが起きた。いや、古代モンスター騒ぎが起きた」
 Dr.パンプアップ・ハイは言った。
 「そうだよ。困った話しだろう。ボク達は、ただ、古代モンスターを作り出す錬金術の薬を注文しただけなのさ。だが、ケイミー・ボーリズは、好奇心を持って使ってしまったんだ。そして魔界の使者「マンドン・ジャボル」と名乗っているのさ。だが、哀れな事にケイミー・ボーリズは元に戻る方法を知らないんだよ。つまり人間に変身する方法も知らない。それで暴れているんだ」
 ローサルは言った。
 「下らない話しだな」
 Dr.パンプアップ・ハイはニヤニヤしながら言った。
 「そうさ、このデタトン製薬の古代モンスター騒ぎも収束は、するんじゃないかな?」 ローサルは言った。
 「オレは権力が欲しい。力が欲しいんだ、「呪いの渦」なら、オレを王にしてくれるはずだ」
Dr.パンプアップ・ハイはニヤニヤしながら言った。
 「いやあ、キミも、なかなかの野心家だね。