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戒厳令都市デタトンの恐怖

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 「まあ、続けてくれよ。なんで古代モンスターや魔族が出たのかだよ」
 ハイデル・マトミンは言った。
 「それでは説明を続けましょう。私達は、ミドルン王国政府の命令の下で、ある錬金術の薬を作っていました。そして、ミドルン王国から奇妙な錬金術の薬の製造を大量に製造するように依頼されたのです。その時Dr.パンプアップ・ハイという謎の男が現れました。班長のケイミー・ボーリズは、謎の錬金術の薬に興味を持ちました」
 コロンは言った。
 「……どんな薬なの」
 ハイデル・マトミンは言った。
 「今まで開発された事の無い錬金術の薬です。大衆薬は、どれも似たような化学式を持っていますが。我々が受け取った錬金術の薬のサンプルは、化学式が見た事も無い変わったモノだったのです」
 マグギャランは言った。
 「それで、どうしたんだ」
 ハイデル・マトミンは言った。
 「興味を持った班長のケイミー・ボーリズは実験用のマウスを使って、謎の錬金術の薬を投与する実験をしました。私達も、その実験には興味を持ちました。そして、一ヶ月近く経つと、班長のケイミー・ボーリズの身体に異変が起き始めました。身体が変化し始めたのです。そして私達七人の研究員は怪物と化した班長のケイミー・ボーリズからデタトン市の第一研究所で次々と刺されていきました。私は胸を刺されてしまいました」
コロンは言った。
 「……それは「魔邪刻石」の在った位置」
 マグギャランは言った。
 「その後は、どうしたのだ」
 ハイデル・マトミンは言った。
 「私の身体は、怪物と化しました。そして断片的な記憶しか残っていません」
 スカイは言った。
 「覚えている事だけでも話せよ」
 ハイデル・マトミンは言った。
 「判りました。第一研究所では、黒い石のの尖塔が出来上がりました。そして私は、大毒キノコ頭のフンカールとしてデタトン市の中で人間をモンスターに変えていました」
マグギャランは言った。
 「第一研究所に在る、黒い石の尖塔か」
コロンは言った。
 「……もしかしたら、「魔界の尖塔」かも」
 スカイは言った。
 「なんだよ、それは」
 コロンは言った。
 「……「魔界の尖塔」が在ると辺りは魔界化するの」
 ポロロンは言った。
 「その「魔界の尖塔」を破壊すれば、このデタトン市を覆う巨悪は滅びるのですね。スカイ、マグギャラン、コロン行きましょう。デタトン製薬、第一研究所に行くのです」
 ピココは言った。
 「ボク達も行くよ」
 レニーは言った。
 「やめてくださいよ、もう古代モンスターの発生源は突き止めたじゃないですか」
 ピココは言った。
 「このデタトン製薬の第五工場は発生源では無かったんだな」
ハイデル・マトンミンは言った。
 「そうだと思います」
スカイは言った。
 「それじゃ、これから、デタトン製薬の第一研究所に向かうぞ」
 マグギャランは言った。
 「何で、コロンは炎の魔法を使わなかった。リッカ・グルンが教えた「鋼鉄の歯車」学派の理論を応用した新型火球なら、古代モンスターでも簡単に倒せたはずだ」
コロンは言った。
 「…元が人間だから」
マグギャランは言った。
「はあ?そんな理由で、攻撃魔術を使わなかったのか。お前が、そんな事を考えているせいで、ウオッカ達は死んでしまったのかもしれないのだぞ。まあ、ブランデーの陰謀だったことを割り引いてもだ」
スカイは言った。
「まあ、しょうがねぇじゃん。元が人間だと思うと寝覚めが悪いだろう」
 マグギャランは言った。
 「お前も、変わった奴だなスカイ。なぜに、そこまで、人殺しを、しないことに拘る」
 スカイは言った。
 「まあ、いいだろう。俺は人殺しは、しないんだ。コロン姉ちゃんもな」
コロンは頷いて言った。
 「……うん」
ポロロンは言った。
 「あのモンスター達は元が人間なのですか。それでは、わたくしが殺めなかった事は正義なのですね」
 マグギャランは言った。
「そうだな。確かに、人間を殺したとも思いたくないが」

ローサル達キャンディ・ボーイズの四人は、第一研究所に辿り着いた。
 煉瓦造りの重厚な建築物だった。
 ローサルは言った。
 「ここが第一研究所か」
 ソフーズはガムを噛みながら言った。
 「そうだぜ、ローサル。見た目は何ともないが、必ず何かあるぜ」
 ターイは言った。
 「ここまで来る間に、古代モンスター達との戦闘を避けてきました。私とシャールの魔法は余力があります」
シャールは言った。
 「オレの雷光が、古代モンスター相手にも通用する事が判った。十分な成果だな」
ローサルは言った。
 「それじゃ、お上品に玄関から、お邪魔しようぜ」
 ローサル達キャンディ・ボーイズの四人はソフーズを先頭に玄関から入っていった。
 中は異様な光景だった。
 辺り一面が、生き物の様に、青い血管が脈打つ肉のようなモノで覆われていた。
 「何だよ、気味が悪いな」
 シャールは言った。
 「これは、魔界化している証拠かもしれないな」
 鍵は全て開いていた。
 扉を開けた。
 中には人間の男女の裸体が幾つもガラスの筒の中に入っていた。そして二、三百本近く、ガラスの筒は続いていた。
 ソフーズはガムを噛みながら言った。
 「クローン培養を、しているのかよ?」
ターイは言った。
 「二重の螺旋学派ですよ。多分、人体実験を合法的に行う為に、クローン人間を利用しているんですよ。これがミドルン王国の薄汚い事実です」
ローサルは向こうの方を見た。
ローサルは言った。
 「おい、こんな所に人間が居るぜ」
 ソフーズはブッと吹き出した。
 ソフーズは言った。
 「なんで、あんな巨大な看護婦の服を着たテディ・ベアが居るんだよ。一人はマッチョの白衣だし、もう一人はスゲェでけぇ胸の白衣だ。裸の若い男もいるぜ」

Dr.パンプアップ・ハイとジョイシャー、クマの看護婦さんは、マンドン・ジャボルが開けたトンネルを伝って、デタトン製薬の第一研究所に辿り着いた。
 そして、クローン人間の培養槽の中を探し始めた。
 ジョイシャーは言った。
 「あっはん、うっふん。クローン検体1450号ですわん。ありましたわん」
金髪の長い髪をした、痩せた中肉中背の若い男のクローン体がガラスの容器の中に入っていた。
 クマの看護婦さんはピンクのハート型のポシェットから金属製の円筒を、取り出した。
 クマの看護婦さんは言った。
 「ようやく、辿り着いたのね。これが院長から預かってきた。魂の器」
 Dr.パンプアップ・ハイはニヤニヤしながら言った。
 「これから心霊手術だよ。とは言っても、この魂の器を開くだけだけれどね」
 クマの看護婦さんは、取り出した、金属製の円筒型の魂の器を開けた。中には赤い宝石が入っていた。
 赤い宝石の中から、霊が引き寄せられるように、飛び出し。金髪のクローン体の中に入っていった。
 突然、金髪のクローン体の眼が開いた。
 そして、Dr.パンプアップ・ハイと、ジョイシャー、クマの看護婦さんを見て、ガラスの容器の中を叩き始めた。
 ジョイシャーは言った。