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戒厳令都市デタトンの恐怖

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 マグギャラン、ポロロン、ピココ、レニーの四人は、殆ど、古代モンスターに変化しつつ在った。
 獣人間マグギャランは言った。
 「ダメだ、何か怪しい電波が走って居るぞ、頭の中で、スカイとコロンを攻撃しろと言っている」
 カイマン人間ポロロンは言った。
 「そうです。何か、頭の中から電波のような指令のような身体を動かす何かが在ります」
花人間ピココは言った。
 「ああっ、ボクはボクで、いられない」
 ロボット人間レニーは言った。
 「ちょっと、何で、私の身体が勝手に動くのよ」
 スカイとコロンの前に、古代モンスター化したマグギャランと、ポロロン、ピココ、レニーが、大毒キノコ頭のフンカールを守る様に立ち塞がった。
 そして周囲は、煙突の打ち上げ機に入るはずの古代モンスター達が、スカイとコロンを囲んだ。
 スカイは言った。
 「絶体絶命の状況じゃねぇのか」
コロンは言った。
 「……スカイ、大毒キノコ頭のフンカールの胸の宝石「魔邪刻石」を狙うの。……「魔邪刻石」は魔族の弱点なの」
スカイは剣を構えた。
 スカイは言った。
 「判ったよ、コロン姉ちゃん」
コロンは言った。
 「……仕掛ける!」
 コロンは火球を作って、マグギャラン達四人の前に飛ばした。
 ポーンと気の抜けるような音がして、爆風が走った。
 音は情けないが、一発で、獣人間マグギャラン、カイマン人間ポロロン、花人間ピココ、ロボット人間レニーを爆風で吹き飛ばした。
 スカイは一気に、抜き身の剣を持って大毒キノコ頭のフンカールの前に走っていった。
 大毒キノコ頭のフンカールは、爪を伸ばして、スカイに切りつけた。
 スカイは、その腕を切り飛ばした。
 大毒キノコ頭のフンカールの口から緑色の物体が吹き出た。
 スカイは後ろに跳んで間合いを取った。
 垂れた緑色の物体が生物で覆われた工場の床を溶かし始めた。強酸のようだった。
コロンは言った。
 「……スカイ退いて!」
 スカイは横に跳んだ。
 コロンの炎が走った。
 大毒キノコ頭のフンカールが口から吐く、緑色の物体が燃え上がった。そして緑色の物体を伝って、コロンの炎が、大毒キノコ頭のフンカールの全身を包んだ。
 大毒キノコ頭のフンカールは叫んだ。
 「うぎゃああああああああああああああ!」
 コロンは言った。
 「……今だよ!スカイ!」
 スカイは言った。
 「任せろ!コロン姉ちゃん!」
 スカイは、剣を持って、大毒キノコ頭のフンカールの胸の「魔邪刻石」目がけて振り抜いた。
 大毒キノコ頭のフンカールの胸の「魔邪刻石」スカイの一撃で粉砕された。
大毒キノコ頭のフンカールは、のたうち回り始めた。
 途端に辺りの古代モンスター達に異変が起き始めた。
 呻き声が上がった。
 コロンの爆風火球に吹き飛ばされた、獣人間マグギャランと、カイマン人間ポロロン、花人間ピココ、ロボット人間レニーにも異変が起き始めた。
 スカイとコロンは、獣人間マグギャラン、カイマン人間ポロロン、花人間ピココ、ロボット人間レニーの所に行った。
 スカイは言った。
 「おい、オマエ等、このまま古代モンスターのまま死んでいくのか?」
 コロンは言った。
 「……スカイ周りを見て。古代モンスターが人間になっていく」
古代モンスター達が次々と、人間になっていった。
 獣人間マグギャランは、元の服を着た人間に戻っていった。
 マグギャランは言った。
 「なんか、人間に戻ってきたぞスカイ」
カイマン人間ポロロンも、元の白いドレスを着た人間に戻っていった。
ポロロンは言った。
 「そうです。私も、元に戻り始めました」
ピココは言った。
 「レニー、ボク達も人間に戻ったぞ」
 レニーは言った。
 「なんで私が、ロボット人間になるのよ」
 人間に戻ったマグギャランは言った。
 「うむ、スカイよ。この古代モンスター化は、「魔界七勇士」の一人、大毒キノコ頭のフンカールの仕業だったのだな」
 スカイは言った。
 「間違いねぇな」
フンカールは悶え苦しみ倒れると白衣を着た人間になった。口髭に眼鏡の三十代ぐらいの男だった。
 スカイとマグギャランは剣を突きつけた。
スカイは言った。
 「なに人間に、なっているんだよ。騙されねえぞ」
白衣を着た男は言った。
 「私は、デタトン製薬の第一研究所の研究員、ハイデル・マトミンです。待ってください、剣で殺されないでください」
 マグギャランは言った。
 「何を今更言うのだ。オマエは「魔界七勇士」大毒キノコ頭のフンカールを名乗り、ミドルン王国の軍隊二千五百人を古代モンスターに変えた首班だろう」
ハイデル・マトミンは言った。
 「研究中にアクシデントが起きたのです。我々は、「不老不死の秘薬」の研究を、していたのです」
 マグギャランは言った。
 「なにゆえに、大衆薬の製造会社のデタトン製薬が、そういうイケナイ薬の研究をするというのだ」
 ハイデル・マトミンは言った。
 「ミドルン王国政府からの命令なんですよ。「不老不死の秘薬」の研究をしろという命令です。私達も、そんなモノが出来るとは思っては居なかったけれど、ミドルン王国政府が命令するのでは従うほかは在りません」
 スカイは言った。
 「それなら、なんで、デタトン市で古代モンスターが発生するんだよ。そしてオマエは「魔界七勇士」を名乗って、古代モンスターを増やしているんだよ」
 ハイデル・マトミンは言った。
 「身体が、勝手に動いて口も勝手に動くのですよ」
 マグギャランは言った。
 「確かに古代モンスター化すると、身体が勝手に動くのだ」
 ポロロンは言った。
 「そうです、私の意志を離れて身体が動き出したのです」
 スカイは言った。
 「だが、判らねえぞ、何で不老不死の研究が、古代モンスターと結びつくのだよ」
 ハイデル・マトンミンは言った。
 「言えません、守秘義務が在るのです。もし口外すると、私は死刑に掛けられるかも、しれないのです」
マグギャランはハイデル・マトミンに剣を突きつけた。
 マグギャランは言った。
 「いま、古代モンスターにされた怒りで、オレの剣が、オマエを切り捨てるとか言っても黙るつもりか」
 ハイデル・マトミンは震えだした。
 「お願いです殺さないでください。私は、ただの研究員なんですよ。不老不死の研究をしていた事は事実です。ですが、古代モンスターの発生や魔族化については私達も判らない部分が多いのです」
 スカイは言った。
 「どういうことだよ」
 ハイデル・マトミンは言った。
 「私も守秘義務から逸脱しない範囲で説明しましょう。私は、上司のケイミー・ボーリズと私も含めて部下七人の研究班で、ある薬の研究をしていました」
 マグギャランは言った。
 「なんだ、その、ある薬というのは」
 ピココは言った。
 「ボクも変だと思うぞ」
 ハイデル・マトミンは言った。
 「私に言わせないでくださいよ、守秘義務が在るんですよ。ミドルン王国政府が関わっている事だけを理解してください。それ以上言うと、私は死刑に掛けられるか、暗殺されてしまいます」
 スカイは言った。