戒厳令都市デタトンの恐怖
レニー達、鋼鉄少女隊は、ダイナマイト・シルバーズと一緒にデタトン製薬本社の建物から脱出した。
レニーは荒く息を吐いていた。
御領主様の、お嬢様は厳しい顔で、デタトン製薬本社の建物を見ていた。
留衣はニコニコしていた。
デタトン製薬の街路に古代モンスターが溢れかえっていた。
筋肉老人戦士ミスター・ジェイは言った。
「他の冒険屋のパーティ達よ、我々は、一点突破をしなければ、数の上で多い古代モンスター達に殺されてしまう」
他の冒険屋のパーティが頷いていた。
モヒカン頭の戦士が言った。
「判った、どの街路から、一点突破して脱出する」
黒いヘルメットの戦士が言った。
「そうだ、手薄な場所は見当たらないぞ」
筋肉老人戦士ミスター・ジェイは言った。
「一番足が遅いモンスターが多く居る場所から一点突破をすればいい」
筋肉老人魔法使いミスター・シーンは言った。
「そうだなミスター・ジェイ。移動速度が、遅い古代モンスターは、ここから見る限り、一つ目岩石巨人達が集まっている街路だ」
モヒカン頭の戦士が言った。
「判った、北東の街路を全員で突っ切る」
黒いヘルメットの戦士は言った。
「それで、いいだろう」
レニー達鋼鉄少女隊は、冒険屋のパーティ達が、集まって、北東の街路を突っ切る事に決まった。
レニー達、冒険屋のパーティ達は、走り出した。
御領主様の、お嬢様は言った。
「レニー、留衣、ボクから離れずに走るんだ」
レニーは怒りを覚えながら思った。この御領主様の、お嬢様は何考えているの。こんなデタトン市の古代モンスター騒ぎに巻き込んでおいて。何リーダー気取りしているのよ!
巨大な、一つ目岩石巨人達の間をレニー達冒険屋のパーティ達は走り抜けた。
一つ目岩石巨人達は、動きは遅くて、巨大な拳を振り上げて居るが、レニー達は何とか、くぐり抜けた。
だが、レニー達の幸運も、そこまでだった。 一つ目岩石巨人達の後ろには、両腕が鋭利に鎌になって居る古代モンスター達が居た。
筋肉老人魔法使いミスター・シーンは言った。
「まずい、瞬間移動して攻撃を仕掛ける、古代モンスター、マンティス・マン達だ」
他の冒険屋のパーティ達も攻撃姿勢を取った。
だが、マンティス・マン達は高速で瞬間移動してきた。
レニー達の前に突然現れた。
レニーは呆然とした。
死ぬ?
そしてマンティス・マン鎌を振るった。
その鎌を筋肉老人戦士ミスター・ジェイが大剣で受け止めた。
マティス・マンの胴体に、弓矢が突き刺さった、筋肉女老人レンジャーのミセス・ポッポーの弓矢だった。
筋肉女老人レンジャーのミセス・ポッポーは言った。
「この古代モンスターは、瞬間移動した後、少し隙がある!瞬間移動して前に現れても落ち着いて逃げるのよ!」
レニーは頷いていた。
ピココと留衣も頷いていた。
レニー達の前に五、六匹のマンティス・マンが瞬間移動してきた。だが少しの間だ止まった〉
ピココは言った。
「レニー、留衣!逃げるんだ!」
レニー達鋼鉄少女隊は逃げ出した。
だが、連続して、瞬間移動して来た。レニー達鋼鉄少女隊の前にマンティス・マン達が八、九匹現れた。
逃げ場がふさがれた?
レニーは焦った。
鎌を振り上げたマンティス・マンの胴体を、大剣が薙ぎ払って斬った。
筋肉老人戦士ミスター・ジェイだった。
筋肉老人戦士ミスター・ジェイは言った。
「ピココ、レニー君、留衣君、君達は、先に行ってくれ。我々が、ここを引き受ける」
筋肉老人戦士ミスター・ジェイは背中の大剣を両手で持って構えた。
ピココは言った。
「判りました!」
筋肉老人戦士ミスター・ジェイは言った。
「ピココ、死ぬな。生きろ!そしてグリップ男爵家を継げ!」
ピココは言った。
「行くぞ、レニー!留衣!」
レニー達鋼鉄少女隊は走り出した。
レニーはマンティス・マンを振り切りデタトン市の入り組んだ、街路の中を走って行った。
レニー達鋼鉄少女隊は、しばらく走った。
そして立ち止まった。
レニーは荒い息をしていた。ピココも荒い息をしていた。留衣だけ何時も同じようにニコニコしていた。
ピココは言った。
「レニー、留衣。デタトン製薬の第五工場を目指すんだ」
留衣がメドウズから渡された地図を取り出した。
ピココの、その眼は涙で濡れていた。
レニーは言った。
「私達が行って何が出来るんですか」
御領主様の、お嬢様は言った。
「ボク達も、デタトン市の第五工場で何かが起きている事を知る事が出来る筈だ。そうしてメドウズに、ウイッキイド・ゴーストの携帯電話で連絡を入れる」
レニーは言った。
「あのですね。私達が行っても何も出来ませんよ。何が判るというのですか」
留衣は言った。
「私は行くべきだと思いますよ」
え?
いつも、ニコニコしていて自分の意見を述べない留衣にしては珍しかった。
様子が、おかしい事に、御領主様の、お嬢様も気がついたようだった。
ピココは言った。
「留衣にしては珍しいな。だが、ボクは、デタトン市の事件の解決に寄与できるなら、父上も、グリップ男爵家を継ぐ事を認めてくれると思うんだ」
留衣はニコニコしていた。
留衣は言った。
「それでは、ピココ様、レニー。第五工場に行きましょう」
スカイ達は古代モンスター、レックス・リトル達に追いかけ回されていた。
マグギャランは言った。
「ええい、スカイ、コロン、ポロロン逃げ回るのだ」
スカイは言った。
「とにかく走り回るのが基本だ」
ポロロンは言った。
「アンに携帯電話で連絡をしなければ」
コロンは言った。
「……逃げ延びてからなの」
マグギャランは言った。
「そうなのだ。逃げ延びるのだ!」
スカイは言った。
「この古代モンスターには、ゾーンが在る。つまり、特定のエリアの中以外は出てくる事が出来ない。早くレックス・リトルのゾーンから出るぞ!」
スカイ達はレックス・リトル達を振り切るために走り回っていた。
レックス・リトル達は俊敏に動いて、スカイ達と並んで走ってスカイ達に噛みつこうとしたが、スカイとマグギャランは、剣を振るい、コロンは走りながら、飛びかかってくるレックス・リトルに炎の矢を発した。
スカイ達はデタトン市の町の中を逃げ回っていた。
突然、レックス・リトル達の動きが止まった。スカイ達はレックス・リトルのゾーンを出た事になる。
レックス・リトル達は、スカイ達を見てウロウロした。だが一定の場所から出てこられなかった。
スカイ達四人は荒い息をしていた。
スカイは言った。
「手間掛けさせやがって」
マグギャランは言った。
「しつこく付け回していたが、あのレックス・リトル達にもゾーンが在ったわけだ」
ポロロンは言った。
「スカイ、携帯電話を貸してください、アンに連絡を入れねばなりません」
スカイはウイッキイド・ゴーストの黒い携帯電話をポロロンに渡した。
スカイは地図を出した。
「ここからだとデタトン製薬の第五工場が近いな」
マグギャランは言った。
作品名:戒厳令都市デタトンの恐怖 作家名:針屋忠道