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戒厳令都市デタトンの恐怖

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 「ローサルや、ソフーズの言うようにガミオン大臣は必ず何かを隠していますよ。ミドルン王家のスパイ組織にして、事実上ガミオン大臣の私兵である「ウイッキイド・ゴースト」のワッペンを付けた軍服の人間達が何人も居ます」
 シャールは言った。
 「ミドルン王国とヒマージ王国は「雷光の裁定」学派を弾圧している」
ローサルは言った。
 「そう言う事は黙りと行こうぜシャール。ここは、ガミオン大臣様が来て居る場所だ」
 
スカイ達は、再び、フラワー・ビレッジ村立体育館に集まった。
 だが、一昨日より集まった冒険屋の数は少なくなっていた。怪我をしている冒険屋達の数も多い。
 モルガ・ボンドネードが演壇に上がった。
 モルガ・ボンドネードは言った。
「冒険屋のテメェ等、アタイはボンドネード・ファミリーのモルガ・ボンドネードだ。
耳の穴かっぽじいて、よく聞きやがれ。これから、お前達冒険屋は、デタトン市の城壁の中へ突入していく。そして古代モンスターの発生場所を捜すんだ!いいな判ったな!」
 だが、一昨日と違って、今度は冒険屋達から怒りの声が上がった。
 「ダメだ!危険すぎる!古代モンスター相手に戦う事は出来ない!」
 「オレ達は、殺されるためにデタトンには行けない!」
 「古代モンスターは強すぎる!」
 「もう、従う事は出来ない!」
 スカイは言った。
 「やってられねぇよ!」
 マグギャランは言った。
「オレ達を殺すつもりか!」
モルガはメガホンを持って壇上で言った。
 「テメェ等は、黙って、アタイの言う事聞けばいいんだよ!頭を働かせろ!強かったら戦うな!アタイ達の目的は、古代モンスターの発生場所の特定だ!繰り返し言うが!アタイ達の目的は、ミュータントだと思っていた古代モンスターの発生場所を特定する事だ!」

 ロマシク・ボンドネードは、インビジブル・コートの魔法を使って壇上で喋るモルガの隣に居た。
 安全第一主義のロマシク・ボンドネードは、
冒険屋達に恨みを買い、後で復讐される事を恐れて、全部モルガに責任を押しつけていた。
だから、ロマシク・ボンドネードは、フラワー・ビレッジ村立体育館で魔法を使って隠れてコソコソしていた。
 モルガは気がついていないようだったが、ロマシク・ボンドネードは十分気にしていた。
だから姿を魔法で隠していたのだ。
 冒険屋達に見えなくて、モルガの方からだけ見えるようにインビジブル・コートの魔法を使って居たのだ。そうすれば、後で、モルガから問い詰められる必要はなくなる。ロマシク・ボンドネードは、ボンドネード・ファミリー内部の家内政治にも十分に気を配っていた。

スカイは怒声を上げる冒険屋達の中で言った。
スカイは言った。
 「なんだよ、モルガのヤツ。オレ達の言う事聞きもしねぇ」
 マグギャランは言った。
 「これは、悪い軍隊の見本の様な感じだなスカイ。ただ兵隊を死なせに行くだけの軍隊だ。兵士が沢山死ねば成功すると考えている痴れ者が上に居るのだろう。これは、単純な人海戦術なのだ。で、オレ達は人海戦術に投入される一兵士という事だ」
ポロロンは言った。
 「正義の為に、わたくしは戦います。スカイ、マグギャラン、黙ってモルガ・ボンドネードの話しを聞きましょう」

ローサル達、キャンディ・ボーイズは、壇上で突き上げを食らう、モルガ・ボンドネードを見ていた。
ローサルは言った。
 「下品な女だな。あれでもウダル育ちのボンドネード家の一員かよ。ケツ女のミラーナ・カーマインと同じ女とは思えねぇな」
 ソフーズはガムを噛みながら言った。
ソフーズは言った。
 「あれは、あれでカワイイんじゃねえの。
ぷっ」
 ソフーズは吹き出した。
 シャールは言った。
 「オレ達を騙したリート・ボンドネードの娘だ。確かに下品な女だな」
 ターイは言った。
 「あのモルガは、ボンドネード・ファミリーの責任者じゃ無いでしょう。責任者は、ロマシク・ボンドネードの、はずですが、姿が見えません」
 ローサルは言った。
 「ロマシク・ボンドネードは「逃げ足のロマシク・ボンドネード」と呼ばれている。リート・ボンドネードは「裏切りのリート・ボンドネード」だ。どちらも汚ねぇことは間違いねえや」
ソフーズは言った。
 「そうそう、オレ達は「裏切りのリート・ボンドネード」に見事に裏切られたわけだよ。ロマシクのヤツは必ず、どっかに隠れているぜ「逃げ足のロマシク・ボンドネード」はよ」
 ターイが言った。
 「見事なまでに、完全に姿を隠しています。私も捜してみましたが、どこに居るか判りませんね」
 シャールは言った。
 「くだらん、オマエ等はエターナル魔法に騙され居る。オレがロマシク・ボンドネードの魔法を破ろう」
シャールは、白い呪文書を浮かべて、雷光の魔法をフラワー・ビレッジ村立体育館のステージに向けて放った。それも気づかれないような床を這って進む雷光だった。
 雷光は、ゆっくりと、ステージの上に昇った。
 突然悲鳴の様な声がした。
 「痛!」
ロマシク・ボンドーネドが姿を現した。
ローサルは言った。
 「ディスペル(解呪魔法)か?」
シャールはロマシク・ボンドネードを見てバカにしたような笑いを浮かべた。
シャールは言った。
 「いや違う、足下に電撃を流した。エターナルの白き波濤学派のインビジブル・コートは集中系の魔法だ。集中させなければ魔法は破れる」
ソフーズは吹き出しながら言った。
 「さあ、ロマシク、どうするんだ?逃げ出せるか?ぷっ」
 ソフーズは吹き出した。
モルガの横の壇上に姿を現した、ロマシク・ボンドネードは青ざめた顔をして、右往左往していた。
 冒険屋達が次々と叫んだ。
 「アイツは、ロマシク・ボンドネードだ!」
 「このデタトン問題の責任者はロマシク・ボンドネードだな!」
 「オレ達は、アイツのせいで、デタトン市に送り込まれるんだな!」
 「ロマシク・ボンドネード許さねぇぞ!」
 スカイも言った。
 「オマエが責任者だろう、この野郎!もっともマシな作戦立てやがれ!」
マグギャランは言った。
 「そうだ、オレ達の犠牲を増やすような作戦を立てるな!」

 突然ロマシク・ボンドネードの足に痛みが走った。そしてインビジブル・コートの魔法が解けた。
 冒険屋達が騒ぎ始めた。
 ロマシク・ボンドネードは顔が青ざめた。
こんなミスをするはずは無かった。
ロマシク・ボンドネードはモルガに指を突きつけた。
 ロマシク・ボンドネードは言った。
 「私は、このデタトン問題対策委員会の責任者では無い。モルガがデタトン問題の責任者だ」
モルガは言った。
「おい、伯父貴何言っているんだよ!アタイは、伯父貴のパーティのメンバーだろう!」
 ロマシク・ボンドネードは大声で言った。
 「冒険屋の諸君聞いてくれ!私、ロマシク
・ボンドネードは、もう歳だ!引退しなければならない!だが、次の世代のボンドネード・ファミリーの若者で在る、モルガ・ボンドネードに実質的な指導権を私は委ねた!私はオブザーバーとして参加している!」
 全部嘘だった。
冒険屋達から声が上がった。