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戒厳令都市デタトンの恐怖

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 そして、スカイ達四人は酔っぱらい達も含めて、何とか、小山を一個超えた所まで走っていった。
スカイは言った。
「結構走っただろ」
 スカイは肩で息をしていた。
マグギャランは言った。
 「うむ、あの怪物を何とか撒くことは出来ただろうな」
マグギャランも荒い息で額の汗をゴロジのブランドマークが沢山プリントされたハンカチで拭っていた。
コロンは杖に掴まって寄りかかって倒れそうだった。
 ポロロンは言った。
「マグギャラン、スカイ。アンに連絡をしなくては、いけないのではないですか」
 マグギャランは言った。
「うむ、定時連絡の時間を忘れていたな」
 スカイは言った。
 「それじゃ、俺が掛けるか」
そしてウィッキィド・ゴーストが描かれた黒い携帯電話を取りだしてアンに掛けた。ボリュームを大きくした。
スカイは携帯電話に言った。
「おい、アン。ウオッカが死んだ」
 アンは、携帯電話の向こうでアッサリと言った。
 「判りました」
 スカイは携帯電話に言った。
「もう少し何かを言えよ」
 アンは携帯電話の向こうで言った。
「ミュータントと遭遇したのですか?」
 スカイは携帯電話に言った。
 「ミュータントかは判らないが。石くれ男という古代モンスターと遭遇した」
 アンは携帯電話の向こうで言った。
 「それは、私の知らないモンスターですね。まあ、私も、モンスターに、ついては専門じゃないのですから。それでは偵察を続けて下さい。電話を切ります」
アンは電話を切った。
 スカイは言った。
 「偵察を続けて下さいだとよ」
 マグギャランは言った。
 「うむ、さすが、あのギル・ヘイコックの妹だけあって冷酷非情だな。ウォッカが死んでも何食わぬ声だったな」
 ポロロンは言った。
「わたしのせいで、ウォッカが死んでしまいました」
酔いどれ女魔法使いのブランデーは言った。
「あひゃ、あひゃ。気にすることは無いよ。あたし達、酔いどれ決死隊は死亡率が高いんだよ」
酔いどれ女魔法使いのブランデーが酒を飲んだ。
ポロロンは言った。
「仲間が死んだのに何で、お酒が飲めるのですか」
 ポロロンは、酔いどれ女魔法使いのブランデーが飲もうとしている、魔法瓶のコップを手で払った。
 酔いどれ女魔法使いのブランデーの手から酒の入ったコップが飛んでいった。
酔いどれ盗賊のウイスキーは言った。
「あー、もったいネェ」
 そして酔いどれ盗賊のウイスキーは鼻の穴から酒を飲んだ。
酔いどれ女魔法使いのブランデーは言った。
 「嬢ちゃん、酒をバカにしちゃいけないよ。この酒、一杯欲しさに人生が狂っちまう人間だって居るんだ」
 酔いどれ女魔法使いのブランデーはコップを拾った。
ポロロンは言った。
「そんな物に人生が狂わされて、しまうなら最初から飲まなければ、いいんです」
 酔いどれ侍のドブロクが言った。
「俺達は…ううっ、走り回ったせいで悪い酔いだ…げえっ」
 酔いどれ侍のドブロクが何かを言おうとしたら吐き始めた。
酔いどれ女魔法使いのブランデーは言った。
「あひゃ、あひゃ、ドブロクは直ぐにゲロを吐くんだよ」
 ブランデーは自分の腿を、ひっぱたいて笑いながら言った。
 スカイは言った。
 「それじゃ、偵察を続けるぞ」
 やる気は全然なかったが。
この酔っぱらい達を見ていると、少しは何かを、しなければ、ならないような気がしてきたのだ。

レニー達、鋼鉄少女隊とダイナマイト・シルバーズは、ローリング・ヒル村を朝の七時に出発した。
そして、少しの間、歩き続けた。
 筋肉老人の魔法使いミスター・シーンがウィッキィド・ゴーストが描かれた黒い携帯電話で十五分ごとに掛ける定時報告をオペレータのメドウズに一回した。
 そして道を歩いていた。
 何の変哲もない田舎道だった。
 ピココは言った。
 「どうやら、ボク等が担当する南南東ルートは、ミュータントが出ない道を選んだ、みたいだなレニー」
 レニーは言った。
 「ミュータントが出たら困るんですけど」
 そして口をつぐんだ。
 御領主様の、お嬢様のせいで、死刑執行のような酷い状況に陥ってしまったのだ。一体どうすれば良いのかレニーには皆目見当が付かなかった。
 ミスター・ジェイは言った。
「どうしたんだピココ。会話が続いて、いないじゃないか」
ピココは言った。
 「昨晩ローリングヒル村の村長さんの家で話したように、ボクは父上に認めて貰うために殊勲を上げなければ、ならないんです。ですが、みんな、あんまり協力的じゃないんですミスター・ジェイ」
 ピココは、いつもと違う気弱な声で言った。
 協力は、しているじゃない。十分過ぎるほどに、なんで、そんなこと言うのよ。この御領主様の、お嬢様は。
レニーは段々、今まで押さえつけていた怒りが臨界点を超えそうに、なってきた。
 レニーは基本的に、我慢強い性格だった。
そうでなければ、退屈とも言える、エターナル受験の魔法の勉強が出来るはずはなかった。
何で、こんな若い身空で、死刑執行に向かうような決死の(本当に死ぬことが決まった)
偵察行に参加しなければならないのよ。
筋肉老人戦士ミスター・ジェイは言った。
 「レニー・ハンドリング君だったかな。ピココは、私の妹の孫娘だ。私の孫と同じ様な存在だ。もう少し、ピココに協力してくれないかな。昨日から見ていると君達、鋼鉄少女隊は全然仲間意識が無いみたいではないか。ピココが一方的に命令を出して、君達が従っているという形式が出来上がっている」
 そこまで聞いているとレニーの我慢の臨界点は遂に決壊して吹き飛んでしまった。
 レニーの口は勝手に動き始めた。
 レニーは言った。
「あのう、聞いていればですね!色々と言うようですけれど!私はね!これから、死ぬ可能性がとっても高いんですよ!こんな命がけの偵察なんか、やりたく、ないんですよ!」
レニーは一気に、まくし立てた。
 筋肉老人魔法使いミスター・シーンは言った。
 「貴族には、その高い身分に伴う、義務、ノブリス・オブリージュがある。危険でも、立ち向かわなければならない国家の危機なら身を挺さねば、ならないのだ。だからミスター・ジェイはデタトン問題へ参加を呼びかける政府の広報をテレビで見て参加した」
 ローブの下が黒いビキニパンツ一枚の魔法使いが何、もっともらしい事言っているのよ!
筋肉老人戦士ミスター・ジェイは言った。
「その通りだ」
レニーは言った。
「私は、平民です!貴族の義務なんか関係ありません!もう!こんな偵察なんか、やってられない!」
 レニーは踵を返して、もと来た道を引き返して、ローリング・ヒル村を目指して帰ることにした。そして自分の家に帰ってエターナルの魔法使いに、なるための受験勉強をしなければならなかった。
 そう、それが一番良いに決まっている。
 ピココは言った。
「レニー」
ピココはガラになく弱々しい声を出した。
 レニーは黙って歩いて行った。
筋肉女老人レンジャーのミセス・ポッポーは言った。