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死闘のツルッペリン街道

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 「私とラバナが「懐かしのウタタ」まで届ける「手形」とはラバナ自身の事だったんだ。そして結婚式を予定の日時に行い。そのときに、バゲット商会とモッドゴール商会の取引が成立する」
ラバナは胸を張って言った。
「そうよ、私は、結婚するのよ」
バゲットは言った。
「バゲット商会は、モッドゴール商会と、共同戦線を張るのだ。そして、この厳しい経営環境の現在の問題を克服していくのだよ。バゲット商会はモッドゴール家から入り婿のジンジャルを迎える」
 ジンジャル・モッドゴールは言った。
「僕は、ラバナと結婚するジンジャルだよ」
金色の蝶ネクタイに眼鏡の恰幅のいい若い男が言った。
 ラバナは言った。
 「ジンジャルも、私と同じ文系オタクなのよ。子供の頃から仲良しよ」
ジンジャル・モッドゴールは言った。
 「僕もラバナが好きさ」
スカイは思った。
 なんだ、そう言う話しかよ。
 散々手間掛けさせやがって。
スカイは携帯電話で、ニーコ街の冒険屋組合に連絡を入れた。
 スカイは携帯電話に話した。
 「あー、スカイ・ザ・ワイドハート」
何時ものニーコ街の受付嬢の声が携帯電話の向こうからした。
「はい、こちらはニーコ街の冒険屋組合です」
スカイは携帯電話に話した。
 「今回は、酷い違約が在った。雇い主のブレッダー・バゲットとラバナ・バゲットの護衛の仕事は、暴走山賊団「闇の腕」との戦いの他、暗殺者との戦い、悪漢の襲撃、ならず者の格闘家達との戦いが在った。大幅に契約金の十ネッカー(100万円)を越える危険度だった」
ニーコ街の冒険屋組合の受付嬢は携帯電話の向こうで言った。
 「それでは計算します。一人当たり二十ネッカー(200万円)の割り増し料金が掛かります」
 スカイは携帯電話に言った。
「判った。後で伝えてくれ。オレは先に話しを通しておく。バゲットとラバナは狡っ辛いんだ」
 スカイは携帯電話を切った。
スカイは言った。
「バゲット、ラバナ。後で、俺達に二十ネッカー(200万円)の危険手当を一人一人に追加だ」
バゲットは言った。
 「スカイ、何、ケチ臭い事を言ってるんだ」
ラバナは言った。
 「そうよ、ケチ臭いのよ」
スカイは言った。
 「俺達の間の話しじゃ無い。冒険屋組合のルールだ」
バゲットは言った。
 「そんな、ルールはバゲット商会が、もっとデカくなったら政治家を使って変えてやるぞ」
ラバナは言った。
 「そうよ変えてやるのよ」
 シナーモ・モッドゴールは言った。
 「相変わらず、バゲット家はケチだね。あたし達が、「手形」を届けた褒美で支払ってやるよ」
バゲットは言った。
 「そうだ、シナーモに払ってもらえ」
 ラバナは言った。
 「そうよ、シナーモが払うのよ」
スカイは言った。
 「オレ達三人が引き受けた「懐かしのウタタ」まで護衛する仕事は無事終了だ。オレ達は、これから、ルシルスを実家まで送り届ける事になるだろう」
 バゲットは言った。
 「そうか、色々とあったが。無事に「手形」
のラバナの結婚式に間に合った」
 ラバナは言った。
 「そうよ、間に合ったのよ」
 スカイは言った。
「それじゃ、お前達は、ゆっくり結婚式をしてくれ」
 スカイ達三人と、ラメゲとルシルス、可憐暗殺隊は「懐かしのウタタ」のフラクター選帝国帝国銀行に行った。
 ラメゲが、毒針空気銃のルマナに父親の遺産の一万ネッカー(10億円)で「カウンター・アサシネーション」の費用を支払った。
スカイ達と三人と、ラメゲとルシルス、可憐暗殺隊は外に出た。
スカイは可憐暗殺隊に言った
「これから、どうするんだ」
 キラー・リボンのタリマは言った。
 「私は、お母さんのカッカク病を治して、普通の生活を送る事になると思う」
 殺人雨傘のエプトナは言った。
 「今まで、私達に未来が、あるとは思えなかったけれど。スカイ、あなたが、私達に自由と未来を与えてくれたのよ」
七徳剣のミルカラは言った。
 「そうね、私も普通の女の子のような生活を送ってみたいな」
毒針空気銃のルマナは言った。
 「私達四人で頑張ろうよ」
 スカイ達三人とラメゲとルシルスは、可憐暗殺隊と別れた。

スカイ達は「懐かしのウタタ」から見えるミドルン王国の首都、浮遊都市ウダルを見た。
 ラメゲは言った。
 「本当に空に浮いているんだな」
 コロンは言った。
 「……初めて空に浮かんだ街を見た」
ルシルスはジト目で言った。
 「私は何回か行った事が在りますよ」
 マグギャランは言った。
 「うむ、かの「絶望と頸木の王」が首都を置いたのが、中コモンの、この浮遊都市ウダルだ。歴史を感じるモノだな」
ラメゲは言った。
 「マグギャラン、タビヲンに来ないか」
 マグギャランは言った。
 「タビヲンは、ちょっと。俺的には美女に囲まれているビジョンが沸かないのだ」
ラメゲは言った。
 「タビヲン王国は、結構美人が多いぞ」
 ルシルスはジト目で口元を隠して言った。
「そういえば、私の、お姉様達に会いたいという話しは、どうなったのでしょうか?」
マグギャランは言った。
 「そうだ。ルシルスの、お姉様達に会うという使命があったのだ」
 ラメゲは言った。
 「タビヲン王国は、実力さえ在れば、お前が幾らエロくても問題は無い国なんだ。ウチの国は、今、人材を求めているんだ。黒竜王陛下は寛大だ」
マグギャランは言った。
 「うむ、どうしたモノだろうか。ルシルスの、お姉様達には会いたいが、タビヲン王国に行くのは、ちょっと問題が在るな」

スカイ達は、「懐かしのウタタ」から、ミドルン王国とヒマージ王国を隔てる国境の河「ドガント河」を通って、ミドルン王国の国境を通った。
 国境を越えると、スカイ達の横に四頭立ての、黒と赤い車輪の馬車が止まった。
 マグギャランは言った。
 「ミドルン王国の貴族の馬車だな。紋章にミドルン王国の貴族を示す赤いリボンが入っている」
コロンは言った。
「……「炎の赤いリボン」と言うんだよ」
 スカイは言った。
 「そんな事、オレは知らねえよ。コロン姉ちゃんも知識が偏っているな」
 コロンは言った。
 「……炎に、ついては詳しいの」
馬車の中から若い男の声がした。
「私はバルキア伯爵家の家臣とでも言いましょうか。似たような者です。正確には友人のような下僕のような関係ですが。サシシ・ラーキーを迎えに来ました」
眼鏡を掛けた茶色い巻き毛のイケメンが扉を開け出てきた。ルシルスと同じ、秘文字教の白い神官着を着て居る。ニコニコした笑顔の、優しそうな顔をしている。
 イケメンは言った。
「私は、キリィ・ダーマです」
ルシルスが笑顔でキリィ・ダーマの腕に抱きついて言った。
 「私のカレです」
 キリィ・ダーマは笑顔のまま抱きつくルシルスを振り解こうとしていた言った。
 「私のカノジョは、サシシ・ラーキーですよ。ルシルスでは、ありません」
 ルシルスは猫の真似を始めた。
 「私のカレですったら、カレです。ゴロ・ゴロ、ニャー・ニャー」