死闘のツルッペリン街道
ブリリディ・ブリリアントはヒゲン・デパーロ達「ウォリア殺投術ウドル道場」の一行達と、一緒に旅をしていた。ブリリディ・ブリリアントの馬車の御者を務めている、
ブリリディ・ブリリアントはヒマージ王国の裕福な商人の家、ブリリアント家に生まれた。子供の頃から、勝つための英才教育を受けていた。
ブリリディ・ブリリアントは、その事に疑問を持った事は今まで無かった。
だが、ブリリディ・ブリリアントはバラントの町の平原で暴走山賊団「闇の腕」に捕まって、リンチに掛けられて、「ウォリア殺投術ウドル道場」の五人に助けられてから、少し考え方を考え直す必要を感じていた。
青ゾリ兄弟と、可憐暗殺隊は、「バラントの街」の城門が全て戦勝と共に解放され、盗んだ馬をツルッペリン街道の西へと走らせていた。
夜のツルッペリン街道を西へと走っていた。
右青ゾリのゴドルは言った。
「どこで待ち伏せるんだ」
キラー・リボンのタリマは言った。
「バゲットとラバナが雇った、三人の冒険屋達が確実に通る場所が良いでしょうね」
左青ゾリのギーンは言った。
「確実に通るのは、「懐かしのウタタ」前の街、「渓谷のラビド」だ」
殺人雨傘のエプトナは言った。
「それじゃ「渓谷のラビド」を目指すツルッペリン街道で待ち伏せをしましょう」
右青ゾリのゴドルは言った。
「オレ達は、バゲットとラバナの乗ったフラクター選帝国製のエア・バスを襲撃したとき、三人の冒険屋と戦ったが。街道警邏隊が、やって来て妨害された」
キラー・リボンのタリマは言った。
「そうね。私達も、ヒマージ王国の軍隊に妨害されている。街道警邏隊が来る前に仕留める必要があるか」
七徳剣のミルカラは言った。
「でもブリリアント商会とバゲット商会という商人同士の、小競り合いなんでしょ。なんか馬鹿らしくて、やる気が出ないな」
毒針空気銃のルマナは言った。
「私達は仕事を、しくじると死ななければならないんだよ」
キラー・リボンのタリマは言った。
「殺されるか、殺すか、どちらかしかないのよ」
右青ゾリのゴドルは言った。
「オレ達は妹のドナの為に、錬金術の薬を買うための纏まったカネが必要なんだ。バゲットとラバナを捕まえて、「手形」を奪ってブリリアントに連れていかなければならない」
左青ゾリのギーンは言った。
「そうだ、兄者!だが、バゲットとラバナを捕まえても二〇〇ネッカー(2000万円)だ!一番高い錬金術の薬ガンキョーは買えないんだ!」
ゴドルは言った。
「オレ達が買えるのは二百ネッカー(2000万円)の錬金術の薬ソコソーコだ!ギーン悲しいが、これしか買えないんだ!」
ギーンは言った。
「兄者!オレは悲しいぞ!」
キラー・リボンのタリマは言った。
「今までは軽い傾斜の高台をツルッペリン街道は通っていたけれど、今度は下り坂になるようね」
殺人雨傘のエプトナは言った。
「「渓谷のラビド」は、どうやら、この渓谷の坂道の下にある街の、ようだけれど」
七徳剣のミルカラは言った。
「見て、ここから見える」
青ゾリ兄弟と可憐暗殺隊は、馬を止めて、眼下の渓谷の下に見える、「渓谷のラビド」を見た。
ゴドルは言った。
「一本道だ。確実に、このツルッペリン街道をバゲットとラバナは通る」
殺人雨傘のエプトナは言った。
「そして三人の冒険屋達もね」
キラー・リボンのタリマは言った。
「ここで待ち伏せしましょう。暴走山賊団「闇の腕」の影響で、まだ通行する人達も少ないから」
スカイとマグギャラン、コロン。バゲットとラバナ、ラメゲとルシルスは、ツルッペリン街道を西へ馬を走らせた。
道案内をした「二刀剣のヒギア・ゼギンズ」が街道警邏隊に連絡をして、スカイ達の移動は順調だった。
スカイは言った。
「なんだよ。ツルッペリン街道も山間の所を通るのかよ」
マグギャランは言った。
「うむ、スカイよ。ツルッペリン街道は大昔に作られた軍道だが、必ずしも、平坦な道だけを通るわけでは無い。場合によっては、こういう渓谷の横を通る場合もあるわけだ」 ラメゲは言った。
「四人の暗殺者達の内、空気銃を使う娘に、オレは、話しを、しなければならないんだ。ポイズン・ガンの旦那は遺産を残しているんだ。もし、また襲ってきたら。殺さないでくれ。「バラントの街」の牢屋から逃げ出した事は判っている」
マグギャランは言った。
「だが、あの毒針空気銃は危ないぞ。もし、強力な毒を使われたら、オレ達は簡単に殺されてしまう」
ラメゲは言った。
「すまないが、オレが、あのポイズン・ガンの旦那の娘を説得する。だから殺さないでくれ」
マグギャランの馬の後ろに乗ったスカイは言った。
「判ったよ。最初から殺す気はないさ」
ルシルスの馬の後ろに乗ったコロンは言った。
「……うん、そうだよ」
スカイ達七人は馬に乗ってツルッペリン街道を西へと走り続けた。
下り坂の勾配で見覚えのある、二人組の若い男達が手に武器を持ってツルッペリン街道の道を塞いで居た。
青ゾリ兄弟達だった。
右青ゾリのゴドルは右手に分銅鎖剣の剣を持ち左手で鎖を持っていた。
左青ゾリのギーンは両手にショート・ソードを持っていた。
スカイ達七人は馬を止めた。
ゴドルが言った。
「バゲットとラバナ、「手形」を渡して貰うぞ」
バゲットは言った。
「ここまで来た。渡す事は出来ない」
ラバナは言った。
「そうよ「手形」は渡さないのよ」
ゴドルは言った。
「それならば力ずくで奪うまでだ」
マグギャランは言った。
「様子が変だな。何か罠が在るような感じでは無いか」
スカイは言った。
「確かに何か変な感じはするな」
マグギャランは言った。
「確か、青ゾリ兄弟と可憐暗殺隊は両方とも「バラントの街」の牢屋から逃げ出している。ヤツ等が手を組んでいたら、どうなるのだ」
スカイは言った。
「確かに、それは、考えられるよな」
ラメゲは言った。
「毒針空気銃のルマナ!隠れているなら、出てきてくれ!ポイズン・ガンの旦那の遺言があるんだ!お前には話さなければならない事が在る!」
岩陰から、毒針空気銃のルマナが出てきた。
毒針空気銃のルマナは言った。
「どういうことなのボルコさん」
殺人雨傘のエプトナが別の岩陰から出てきた。
殺人雨傘のエプトナは言った。
「ルマナ!何やっているの!」
ラメゲは言った。
「ポイズンガンの旦那は、五人の子供に相続させる遺産を五万ネッカー(50億円)貯めていたんだ!毒針空気銃のルマナ!お前には一万ネッカー(10億円)受け取る権利がある!」
キラー・リボンのタリマは別の岩陰から出てきて言った。
「ルマナは、お金が在るから戦わないで。ルマナには未来が在る。でも私とエプトナ、ミルカラは、ここで死ぬか三人の冒険屋達を殺すしかない」
殺人雨傘のエプトナは言った。
「そうね。私達三人と青ゾリ兄弟で三人の冒険屋達を殺さなくてはならない」
七徳剣のミルカラは別の岩から出てきた。
「ここが私達三人の死に場所ね」
作品名:死闘のツルッペリン街道 作家名:針屋忠道