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死闘のツルッペリン街道

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 「そういった過去と現在も在るのだが。今は「自由騎士(フリー・ランサー)」のマグギャランという者だ。今は、冒険屋として護衛の仕事をしているのだ」
 バゲットは言った。
 「メキア将軍、私は「懐かしのウタタ」まで行かねばならない。現在、ツルッペリン街道」の西が、どうなっているか知りたい」
 ラバナは言った。
 「そうよ、知りたいのよ」
エルレア・メキア女将軍は言った。
 「暴走山賊団「闇の腕」は、西から東へ向かう傾向があります。密偵の掴んだ情報では、
ヒマージ王国の首都タイダーへ攻め上ろうとしている、そうです」
バゲットは言った。
 「ツルッペリン街道の西の方は未だに、暴走山賊団「闇の腕」の支配地域なのか」
 エルレア・メキア女将軍は言った。
 「そうです。正確には、暴走山賊団「闇の腕」は、集結せずにバラバラに動いています。それで、我々も暴走山賊団「闇の腕」の本隊を見いだす事が出来なかったのです。陣構えが無い状態で戦い続けて。負け続けているのです。ただの山賊にしては規模が大きすぎるのです」
 マグギャランは言った。
 「ふむ、そうであるか。だが、なぜ負けたか、判らないのか」
 エルレア・メキア女将軍は言った。
 「はい、私達は、なぜ負けたのか判りません。ただ、いつの間にか、この「バラントの街」まで逃げ込む事になりました」
マグギャランは言った。
 「敗因が判らなくては、話にならないな。どこで戦っていたのだ」
 エルレア・メキアは言った。
 「暴走山賊団「闇の腕」は山賊だけあって森や、山間の土地での戦いが強いんですよ」
マグギャランは言った。
 「平野で戦った事は在るのか」
エルレア・メキア女将軍は言った。
 「在ります。ロチナ将軍が戦死したのは、この「バラントの街」の前にある「ヒース平原」です。討ち死にしました」
マグギャランは言った。
 「その時点で、ヒマージ王国軍の数は、どのぐらいだったのだ」
 エルレア・メキア女将軍は言った。
 「1万六千まで減っていました」
 マグギャランは言った。
 「そして「ヒース平原」の戦いで、更に六千の兵士を失ったのだな」
 エルレア・メキル将軍は言った。
 「そうです」
マグギャランは言った。
「手伝っても良いが。バゲットの都合もある」
バゲットは言った。
 「暴走山賊団「闇の腕」の支配地域の、ど真ん中を突っ切るのは無謀だ。殺されてしまう。危険すぎるだろう」
 ラバナは言った。
 「そうよ危険すぎるのよ」
 マグギャランは言った。
 「それでは、バゲットよ、俺が、暴走山賊団「闇の腕」と戦って掃討する時間的な余裕が在るのか」
 バゲットは言った。
 「正確には一日しか余裕が無い。一日で、暴走山賊団「闇の腕」をツルッペリン街道の西から追い払わなければならない」
 ラバナは言った。
 「そうよ、追い払うのよ」
 エルレア・メキア女将軍は言った。
 「私達は負け続けているんですよ。ヒマージ王国が大軍を、送るかどうか決定が先送りになっているんです。どうか騎士ならば正義の戦いの為に手伝ってください。自由騎士(フリーランサー)マグギャラン」
 マグギャランは言った。
 「俺達も仕事が在るのだ。「懐かしのウタタ」まで急いで行かねばならない」
バゲットは言った。
 「日程には多少の余裕は保たせてあるが、無駄に出来るのは一日だけだ。だが、他のツルッペリン街道に抜けて進める時間は無いんだ。なんとしても、このツルッペリン街道を西に進むしか無い。だが、暴走山賊団「闇の腕」が、ツルッペリン街道を占領してしまっているから追い払う必要がある」
スカイは聞いていて、だんだんイヤになってきた。暴走山賊団「闇の腕」を人間扱いしていないような口調で喋っているように思えたからだ。
スカイは言った。
 「やめろよ、俺は戦争なんかに関わりたくないんだよ。人間同士が大勢で殺し合うなんて最悪の事だろう」 
 マグギャランは言った。
 「スカイよ、ヒマージ王国の美女、エルレア・メキア女将軍が、助けを求めているのだ。俺に濃厚でディープな恩返しを、してくれるかもしれない」
 ルシルスは口元を隠してジト目で言った。
 「やっぱり、下心が在ったのですね」
 ラメゲは言った。
 「なんて破廉恥な男だマグギャラン。そんな事を考える時間的な余裕は無いだろう」
 マグギャランは言った。
 「騎士道とは愛と勇気なのだ。エルレア・メキア女将軍を助けて、むくつけき、暴走山賊団「闇の腕」を蹴散らして絶対的な正義を示すのだよ」
 エルレア・メキア女将軍は言った。
 「どういうことですか自由騎士(フリーランサー)マグギャラン」
マグギャランはエルレア・メキア女将軍の前で変なポーズを付けて言った。
マグギャランは言った。
「それでは、勝利を、あなたに贈って求愛をしましょう。レディ」
 エルレア・メキア女将軍は言った。
「自由騎士(マグギャラン)手伝ってくれるのですか」
マグギャランは言った。
 「ええ」
スカイは小声でマグギャランに言った。
 「戦争なんかに荷担するなよ」
 マグギャランは小声でスカイに言った。
「こら、スカイ、バカ者。これは、濃厚でディープな、ご褒美をオレが後で貰うと言う事で商談を行っているのだ。世の中取引なのだ」
 道案内をした「二刀剣のヒギア・ゼギンズ」は言った。
 「タビヲン王国の剣士ラメゲ・ボルコも居るんだよ。噂では暴走山賊団「闇の腕」の新しい首領は剣の達人と言うじゃ無いか。ラメゲ・ボルコも、ヒマージ王国の軍隊を率いたら良いんじゃ無いか」
 ラメゲは首を振った。
ラメゲは言った。
 「俺は剣の腕には自信があるが、軍略は得意じゃ無いんだ。千人の将が限界だ。一万の将は出来ない」
 マグギャランは言った。
 「ラメゲは、大将首を狙ってくれ。暴走山賊団「闇の腕」が烏合の衆の寄せ集めに見えても、必ず、大将が指揮をしているはずだ」
 道案内をした「二刀剣のヒギア・ゼギンズ」は言った。
 「ダレン、あたし達、スワートル村の騎兵達は、ラメゲ・ボルコの指揮下に入ろうじゃ無いか。あたし達、騎兵は頃合いを見計らって、暴走山賊団「闇の腕」の大将首を取りに行けば良い」
 村長のダレンは言った。
 「許可してくれるか。メキア将軍」
 エルレア・メキア女将軍は頷いた。
 「いいです。ただ、大将首を取りに行けるまでヒマージ王国軍が戦いきる事が出来るかです」
マグギャランは言った。
 「それでは、この自由騎士(フリーランサー)マグギャランが、指揮を執る事で良いかな」
 エルレア・メキア女将軍は頷いた。
 「お願いします。私は、今まで軍隊の指揮をした事が無いのです」

 ヒマージ王国軍のエルレア・メキア女将軍、千人隊隊長十人と、百人隊長百人は、「バラントの街」のバラント大学の講堂で会議を開いていた。スカイとコロン、バゲットとラバナ、ラメゲとルシルスも居た。
 マグギャランが演壇に立った。