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死闘のツルッペリン街道

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 「どうしたんだコロン」
マグギャランは言った。
 「オレの頭を散々杖で殴ったが。オレは断じて悪くないぞ。コロン、アレは、暗殺者の女が悪いのだ」
コロンはボソリと言った。
 「……子供が飲んでも良い、お酒」
 スカイは言った。
 「そんな物在るわけ無いだろう。酒は酒だよ」
 マグギャランは言った。
 「まあ、世の中、フラクター選帝国ヤマト領の甘酒の様な物もある。俺は好きじゃ無いが」
 スカイはコロンの視線の先を見た。
 「子供が飲んでもいい、お酒」と書かれた看板が掛けられていた。簡単な屋台が在った。
酒樽が在って、ワンショット・グラス程度の小さいコップが置いてあった。
 コロンはフラフラと近づいていった。
 「……ねえ、子供が飲んでもいい、お酒って、どんな、お酒なの」
 スカイは言った。
 「おい、コロン。何しているんだよ」
酒を売っている屋台のヒゲオヤジが言った。
 「これは、アルコール度数が0.1の、お酒「キッズ・アルコール」です。どうです、一杯試飲しませんか?」
コロンは言った。
 「……飲んでもいいの」
店のヒゲオヤジは言った。
 「はい、一杯二百ニゼ(100円)です」
コロンは赤い財布から、百ニゼ(50円)銅貨を二枚出した。
 そして、コロンは「キッズ・アルコール」を飲んだ。
 コロンの顔が直ぐに赤くなった。
 「ぷはーっ!美味いじょ!」
 スカイはコロンを見ながら店のヒゲオヤジに言った。
 「なんで、アルコール度数が0.1の酒で酔うんだよ」
 店のヒゲオヤジは言った。
 「人によってアルコールに強い体質と弱い体質が在ります。お客さんは、アルコールに弱い体質なのでしょう」
 コロンは財布から更に百ニゼ(50円)銅貨を二枚だして言った。
 「カネだ!もう一杯、あちゃいにくれ!美味いじょ!「キッズ・アルコール」最高だじょ!」
 店のヒゲオヤジは言った。
 「はいはい、喜んで」
 スカイは言った。
 「いい加減にしろよ、コロン」
 マグギャランも言った。
 「そうだ、オレは愛と正義の為に、昨日戦ったが。お前は、酒に酔っ払っているだけでは無いか」
バゲットは言った。
 「多分、この分だと、襲撃は無いと思うが。こういう不届きな未成年が居るから、バゲット商会は酒を扱わないのだ」
 ラバナは言った。
 「そうよ、お酒は扱わないのよ」
コロンは酒臭い息を吐きながら言った。
 「あちゃいは、後で宿屋「シャコー」に行く。オマエ等、勝手にしやがれ。あちゃいは、子供が飲んでも、よい酒を飲んでいる」
 コロンは更に財布から更に百ニゼ(50円)銅貨を二枚だした。
 スカイは言った。
 「しょうがねぇな」
 スカイ達はコロンを置いて、宿屋「シャコー」を目指した。
 
 コロンは、更に「キッズ・アルコール」を注文しようとした。
 コロンは言った。
 「子供が飲んでもいい、お酒は最高だじょ。もっと飲むんだじょ」
 カナリス・モンドマーネーは言った。
 「お客さん。そんな「子供が飲んでいい、お酒」なんか、在るはず無いじゃ無いですか」
コロンは言った。
 「ひいっく、まさか、騙したのか。あちゃいが、ひいっく。酒を飲みたがっている事を何故知っているんだ。ひいっく。あちゃいが、ダンジョニアン男爵の迷宮競技の時に、ひいっく、酒を飲んだのは事故だじょ、ひいっく、スカイが酒なんか持っているから、いけないんだじょ」
 カナリス・モンドマーネーは言った。
 「逮捕です」
 そしてコロンの右手に手錠を掛けた。
 コロンは言った。
 「ああっ、まさか、あちゃいが、ダンジョニアン男爵の迷宮競技で、未成年なのに酒を飲んだから逮捕なのか!おとり捜査をしていたんだな!」
 カナリス・モンドマーネーは、コロンの右手の手錠の反対側の手錠を屋台の金属製のフレームに掛けた。
 そしてカナリス・モンドマーネーは口から火を吐いて暴れているコロナ・プロミネンスを放って、おいて、次の演目「美女救出大作戦」の為に黒いマントを羽織った。そして男優アギド・モールズに携帯電話で連絡した。
 カナリス・モンドマーネーは携帯電話に言った。
 「アギド、演目「子供が飲んでもよい、お酒」は成功した。次は演目「美女救出大作戦」だ」
 
スカイとマグギャラン、バゲットとラバナ、
ラメゲとルシルスは、クメーヌの街の市場を歩いていた。
 突然、辺りに女の悲鳴が上がった。
 「助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
 スカイ達の前に、胸元が開いた、赤ワイン色のドレスを着た金髪の女が走ってきた。その後ろから、黒いマントを着て手に短刀を持った二人の男達が走ってきた。
 女はマグギャランに抱きついた。
 スカイから見た感じ、女はチークが濃くて少し化粧が厚いように思えた。
 女は言った。
 「お願いです。助けてください」
 マグギャランは女を背中にやって、腰の剣を抜いた。
 マグギャランは言った。
 「ええい、美女を追うとは何ヤツだ!」
 黒マントの男1は言った。
 「我々は、仇討ちをしているのだ」
 黒マントの男2は言った。
 「その女は、我々の仇の家に生まれたのだ」
 マグギャランは言った。
 「ええい、美女を殺そうとは、不届き千万!この騎士マグギャランの剣が、唸りを上げて美女を救うのだ!」
マグギャランが、剣を向けて前に出ると、
黒マントの男1は言った。
 「ちっ、余計な真似を、しおってからに」
 黒マントの男2は言った。
 「一旦引くぞ」
 そして黒マントの男達二人は、市場の中を走って逃げ出した。
 金髪の女は言った。
 「助けていただいて、ありがとうございます」
 マグギャランは言った。
 「私は騎士ですから。レディの窮地を見ては助けずには居られません」
金髪の女は言った。
 「はあっ、あなたは騎士だったのですね」
 マグギャランは言った。
 「そうです、私は騎士マグギャラーンなのです」
 金髪の女は言った。
 「私は複雑な家に生まれたのです。命を狙われているのです。心細くて、切ないのです」
マグギャランは言った。
 「そうですか、それならば、この騎士マグギャランが、あなたを慰めましょう。これって騎士道ですから」
ルシルスが冷たい声で言った。
「私の方が美人ですよ」
 そしてルシルスは転けた。
 そしてルシルスは甘ったるい声を出した。
 「だれか助け起こしてください」
 途端に周囲に居た男達が血走った目で、手を差し出した。
 ルシルスは言った。
 「ほら、私の方が美人ですから助ける男性も多いのです」
ラメゲは言った。
 「ルシルス様、お戯れは止めてください」
マグギャランは言った。
「手を出せない、女より、手を出せる女を選ぶ。これも自然の摂理だ。そもそも、お前は十四歳だ、ルシルス」
金髪の女は言った。
 「それではわたしの身の上話を聞いてください」
 マグギャランは言った。
 「ええ、聞きましょう。おい、スカイ、オレは、この美女の悩み事を聞くのだ。先に宿屋「シャコー」にチェックインしてくれ。オレは別の宿屋にチェックインしているかもしれないが」
 バゲットは言った。