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からっ風と、繭の郷の子守唄 136話~最終話

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 GDPに占める農業は、ピーク時の9%から1%へ激減した。
65歳以上の農業者の比率は、かつての1割から6割へ急上昇している。
専業農家の比率は34.3%から19.5%へ減少。
兼業農家の数は32.1%から67.1%と、倍以上の増加。
国際価格より低い米の価格は800%という、高い関税で保護されている。

 日本の農業は、世界から著しい遅れをとっている。
それにもかかわらず食料の自給率は、悪化の一途をたどっている。
最盛時79%から、40%台まで落ち込んでいる。
このままでは農業が崩壊する。
食料の自給が消滅すれば、『国が滅びる』。


 日本の農業は、これからどうなるのか?。
まともに国際競争力と向き合った場合。生き残ることができるのか?。
これがいま問題になっている 『TPP(環太平洋経済連携協定)』だ。
日本は輸出で今日の繁栄を築いてきた。
原料を買い入れ、高い技術力で加工した工業製品を全世界へ売って来た。
原料以外に買い入れるのは、見返りとしての農産物。
農産物を大量に買い入れている限り、農林漁業を斬り捨てざるをえない。


 農業と漁業は、国民の胃袋を支えている。
国の繁栄力を根本から支えているといえるだろう。
自然を守る大切な役割も果たしている。
農業活動を通じて、大地に人の手が入れられる。
水を確保することで、環境が保護される。
漁業は港を整備する。沿岸に護岸を作る。魚を育てる事業を邁進している。
こうした取り組みを通じ、資源の枯渇をふせいでいる。
緑豊かな大地を育てることが作物を育て、魚介類を育て、国を育てる。
農林水産業の衰退は、結果的に国を滅ぼすことになる。