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からっ風と、繭の郷の子守唄 136話~最終話

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からっ風と、繭の郷の子守唄(137) 
「国破れて山河あり・・・そんな漢詩があったよなぁ、と語る康平」

 日本の人口の3%にも満たない260万人(2010年10月現在)の農民が
日本の食料生産を支えている。
農業従事者の平均年齢は65.8歳。35歳未満の従事者はたったの5%。
埼玉県と同じ面積の耕作放棄地が、ひろがっている。
農家1戸当たりの農地面積はEUの9分の1。アメリカの99分の1。
オーストラリアの1862分の1。
耕作面積の狭さが、農産物の生産性を著しく引き下げている。


 農地を比較した場合。日本の国土は狭すぎて、農業には適していない。
比較する前から、国際競争力に欠けている。
農産物が自由化された瞬間から、日本の農産物は崩壊していく。
高度に効率化されない限り、労賃が高い国では農林水産業は衰退し続けていく。
農業は、職業的“弱者”。
農業の将来に希望が持てず、後継者の数は激減しつづけている。
 
 農業の衰退を支えるため、国は生産量に応じた補助金を出す。
それが政府がとる農業の支え方だ。
補助金の原資は、輸入農産物にかける高い関税。
高い関税率が弱体化した日本農業を保護してきたといえる。
だがそれでも、日本農業弱体化に歯止めはかからない。