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からっ風と、繭の郷の子守唄 131話から135話

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からっ風と、繭の郷の子守唄(135)
「風花が去ったあとに残るのは、まっ白な雪の結晶と黒々とした大地」

 2人をかき消した風花が、突風とともに山麓をかけ下っていく。
雪を舞わせた灰色の雲が、南に向かって移動していく。
真冬になると赤城の峰から、思い出したように、こうした雲が湧き上がる。

 雲は、20キロ余り離れた伊勢崎市や太田市まで、風花を降らせる。
通過するまで10分余り。
風に乗った灰色の雲が、あっという間に南に向って去っていく。

 肩をかばい合うふたりの頭上に、ふたたび、紺碧の冬空が戻ってきた。
真冬の群馬の青空が2人の頭上で、美しく透き通る。