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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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ぺんにゃん♪

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 相手が本物のグレイだと仮定するならば、異星人の思考や行動など、到底理解しがたいものだという可能性もある。
 ペン子は少し肩を落としていた。
「とっても大事なスクール水着だったのです。でも盗まれてしまったものは仕方ありませんよね!」
 すぐ元気になった。立ち直りの切り替えが早い。
 真っ先にミケが気づいた。
「……ん? いた!」
 そこにあるシルエット。頭がでかくて体が細い、間違いないグレイ(仮称)だ!
 ビビビビビビビ〜ッ!
 また謎の光線だ!
 エビ反りになったミケの腹の上を光線が抜け、さらにペン子のもっちりした腹に直撃した。
 ペン子は驚いたように瞳を丸くする。
「綾織さん体やわらかいのですね!」
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ(人より体がやわらかいのは事実だけど)。そんなことより腹が焦げてるぞ?」
「がぺーん!」
 しかし、さらに驚愕していたのは謎の敵だった。
「なぜだ!? ビームの直撃を食らって平気とは……この星の科学力を甘く見ていた」
 たしかに『この星』と言った。ということは、やっぱり宇宙人だ!
 ミケは思った。
「(ただのきぐるみだろ。つーことは、あのビームはこけおどしなのか?)」
 ミケは失念していた。
 光線が当たった壁に巨大な穴が開いていたことをッ!
 突撃するミケ!
 光線が発射……発射……はっ……しゃ……しない!
 カチカチという虚しい音が鳴り響いた。
 光線銃の引き金(トリガー)に掛けた指が何度も引かれるが、反応がない。
 ミケの全力パンチがグレイの顔面に・・・決まらない!
 あと目と鼻の先というところでミケの体力は尽きて、なんと足がもつれて転倒!
 月明かりを浴びて輝くグレイの頭部。その姿はグレイよりも人間に近く、デカイと思っていた頭はどうやらフルフェイスのヘルメットらしい。『この星』発言がなければ、バイク乗り(ライダー)に間違えそうだ。
 ピンチからチャンスに変わったグレイ?は、ミケに襲いかかろうとした。
「銃などなくとも、我ら騎士団の誇りに懸けてこの剣で……剣が、剣を忘れた!(騎士が剣を忘れたなんて団長に知られたら、おしおきされる!)」
 おつかれさまです。
 そして、逃走を図ろうとするグレイ?。
「今日は小手調べに過ぎん。次は騎士団長がじきじきに手を下すだろう!」
 逃げるグレイ?のお尻にはフリフリする謎の物体がついていた。だが、今はそんなことより、グレイを追わなくては。
 ミケは立ち上がりグレイに手を伸ばす。
「待て!」
「待てと言われて待つ奴がいるかッ! ……あっ?」
 ジャボーン!
 水しぶきを上げならグレイ?が川に落ちた。
「ぎゃぁぁぁぁぁ〜〜」
 かわいそうに泳げないらしい。
「そっちには川があると言いたかったんだ」
 ミケは呟いた。
 海の近くの川なので、運が悪ければそのまま潮の流れに乗って、もう二度と……。
 ち〜ん。
 ご愁傷様だね♪
 一部始終を見ていたペン子は肩を落とした。
「ヒナの水着……」
 そして、ミケも沈痛な面持ちで、
「たかがスク水のためにあそこまで……」
 たかがではなーい!
 こうして長い夜は更けていったのだった。