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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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ぺんにゃん♪

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 そして決して振り返らずに逃げた。
 多くのモノからミケは逃げた。
 やがて寮の近くまで逃げ帰ってきた。
 誰とも会いたくなかった。特に知り合いとは絶対に会いたくなかった。
 しかし、その願いすらも裏切られた。
 そこにはペン子がいた。
「どうしたのですか綾織さん!?」
 傷つき薄汚れたミケを見て驚いたようだった。
 すぐにペン子は近づいて来たが、ミケは残っている精一杯の力で押し飛ばした。
「来るなよ!」
「どうしたのですか?」
「心配したふりするなよ」
「ヒナは心から綾織さんのことを心配しています」
「良い子ぶりやがって。どうせおまえもオレのことを!(クソッ、なんでこいつの心だけ聞こえないんだ!!)」
 心が聞こえることにより傷つき。
 聞こえないことにより恐怖を覚える。
 ミケはなにも信じられなくなっていた。
 だから心にもないことを……
「おまえのこと嫌いなんだよ!」
 世界が静まり返った。
 悲しい顔をしたペン子の瞳から、一粒の涙が流れ頬を滑り墜ちた。
 涙は地面で四散して消えた。
 土砂降りの雨の音。
 痛む胸。
 ペン子はなにも言わず去っていった。
 その姿が、あの泣きながら去っていった少女と重なった。