からっ風と、繭の郷の子守唄 126話~130話
からっ風と、繭の郷の子守唄(128)
「千佳が昔に暴走族だったことが判明したあと、本題を切り出す貞園」
それからたっぷり1時間あまり。
どこをどう走り回ってきたのか。康平の母、千佳が運転する真っ赤な
BMWがようやく畑へ戻って来た。
「BMWがやっと帰ってきました。
お母はんの千佳はんがもと暴走族とは知りませんどした。
人は見かけによれへんと言いますが、いやはや、朝から衝撃的な
事実を知りました」
鍬を振るう手を止めた英太郎が、ため息まじりにつぶやく。
「俺も初めて知った。
乱暴ではないが普段から、飛ばす運転をしていた。
もしかしたらと思っていたが、スカイラインGT-Rに乗っていたとは
知らなかった。
俺も2輪車に入れ込んだ時期がある。
となると、やっぱり遺伝かな・・・・親からの」
「あっ、貞園はんが呼んではります。
ようやっと本題がはじまるような様子どすなぁ」
作品名:からっ風と、繭の郷の子守唄 126話~130話 作家名:落合順平