からっ風と、繭の郷の子守唄 116話~120話
からっ風と、繭の郷の子守唄(119)
「2日目と3日目は無事に過ぎ、ついに、『Xデー』のその日がくる」
2日目、3日目と招待客たちが、順調に顔を出す。
何ごともなく予定が過ぎていく。
4日目にはいった今日。ママから、いつにない緊張感が漂ってくる。
(ママが緊張していますねぇ。ということは、今日がXデーになるのかしら。
いまのうちにあの2人にも、『要注意』の一報をいれて
おきましょう・・・・)
万一のことを考えて、ボタンをひとつだけで相手につながる設定に
切り替えてある。
(どうした?。いつものところで、いつものように待機しているぜ)
(ママが緊張しているの。どうやら、今日がⅩデーになるかもしれません)
(ということは、組の幹部がやってくるのは、今夜ということか!)
(そんな雰囲気が漂っています)
(よし。よくわかった。お前さんも気を付けて対応してくれよ。
こっちは万事、準備OKだ・・・)
応答する向こう側からも、乾いた緊張した声が返ってくる。
時計が8時を過ぎた頃。店の前に1台の高級車が停まる。
黒塗りの乗用車だ。後部座席から、いかつい顔の黒服が降りてくる。
助手席へ駆け寄った黒服が、最敬礼のままドアを開ける。
作品名:からっ風と、繭の郷の子守唄 116話~120話 作家名:落合順平