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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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隣と彼方 探偵奇談9

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「…裏山、行かなきゃな」
「そうですね」

学祭や部活で忙しい日々だが、それは二人の約束だ。何を見ることになっても、知ることになっても、悔いない。前だけを向いていたい。今の自分たちができることを、一つも残すことなくやっておきたかった。

「またゆっくり話そう」
「はい。先輩。また明日」

そう交わして別れる。秋の風に遠ざかる香水の匂いに、また何か思い出しそうになるのに、曖昧に霧散していく。記憶の名残を、繋がる糸を探すように夜空を見上げる。星空は、凍り付いたように澄み渡り、美しかった。


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