からっ風と、繭の郷の子守唄 111話から115話
からっ風と、繭の郷の子守唄(113)
「堅気の世界に法律があるように、不良の世界には仁義がある」
「協力者がいます。貞園という女の子です。
この子が一週間だけ、君来夜へ手伝いに行きます。
狙われている幹部は、この一週間の間に、必ず現れると思います。
襲撃の日は確定できません。
ですが内部に協力者がいるということは、警察よりも先に、
店内の異変を察知することができます。
表に車を用意しておけば、店から出た瞬間、実行犯を確保できます」
「ほう。なかなか面白い話だ。
で、そいつを捕まえたあとはどうするつもりだ。
それもすでに考えてあるんだろう?」
「国内に隠したのでは警察か、組織に発見されてしまいます。
美和子との腐れ縁も、断ち切ることが出来ません。
漁船を使って密航をさせます。
台湾を経由して中国へ送り出してしまえば見つかることはありません。
密出国ですので、二度と日本に戻って来る事も出来ません」
作品名:からっ風と、繭の郷の子守唄 111話から115話 作家名:落合順平