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からっ風と、繭の郷の子守唄 111話から115話

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からっ風と、繭の郷の子守唄(115) 
「康平をボコボコにした張本人と、なぜか意気投合する貞園」

 「まいったね。
 岡本と名乗った瞬間、『殺してやる』と大絶叫されたのは君が初めてだ。
 そんなに酷かったかい、あの日の康平くんは」

 ゴルフショップからの帰り道。白いベンツを運転している岡本が
苦笑をうかべる。
満足そうに微笑んでいる助手席の貞園に、声をかける。

 貞園に、見知らぬ番号から電話がかかってきたのは昨夜のことだ。
事前に康平から、『岡本という人物から君へ電話が入ると思う。
かかってきたら出てくれ。君に頼みごとがあるそうだ』という
連絡が入っている。

 岡本といえば数日前に、康平をボコボコにした張本人だ。
その人物から電話がかかってきたら、いきなり頭ごなしに怒鳴りつけてやろうと、貞園が手ぐすねひいて待ちかまえていた。