からっ風と、繭の郷の子守唄 105話~110話
からっ風と、繭の郷の子守唄(109)
「突然に、貞園からかかってきた電話は、不吉を知らせる最初のシグナル」
群馬では、10月の半ば過ぎから紅葉がはじめる。
9月下旬から10月初旬にかけて見頃をむかえる、尾瀬ヶ原の草紅葉(くさもみじ)。
2000m級の峰が連なる谷川連峰から、徐々に紅葉が南にむかって降りてくる。
11月の中旬から月末にかけて、低い山里と平地へ到達する。
白雲山、金洞山(中之岳)、金鶏山の3つの峰が集合する妙義山は、
『上毛三山』のひとつ。
険しい岩肌と、奇岩が全山を覆っている。
麓を走り抜けていく『妙義紅葉ライン』は、富岡の町と下仁田町をつないでいる。
「今どこになの?。急用なのよ、康平」
作品名:からっ風と、繭の郷の子守唄 105話~110話 作家名:落合順平