小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

映画 戦国生徒会

INDEX|43ページ/68ページ|

次のページ前のページ
 

 沖縄2日目の晩、ホテルの大広間で、立食式のディナーパーティが開催された。
「今日、散々歩き回ったのに、立ち食いってきついな」
「女子は、壁にもたれて地べたに座って食ってるぜ」
そんな中、地元の伝統舞踊エイサーのパフォーマンスや、民族楽器の三線の演奏が行われている。生徒たちも飛び入りで参加したり、クマ先生の腹踊りまで披露された。
 中川と近藤は、映画スタッフのみならず、全生徒のリクエストに応えて、ビデオカメラで撮影しまくっていて、もう修学旅行の記録でも撮っているのかと思われるほどだ。みんなも思い思いにスマホで撮影している。
 この時間も、千鶴は博之と写真を撮ろうとチャンスを狙っていたが、そんなチャンスは訪れない。
(堂々と撮るしかないわ)

「キッド君。写真撮ろうよ」
 千鶴は椋ノ木やクラスの友達を引き連れて、体操部といる博之のところにやって来た。
「みんなで?」
「うん、みんなで撮ろう」
「おっ。撮ろう。撮ろう」
体操部も喜んで集まった。
(ちょっと! ひろぽん、何でみんなでなのよ?)
博之と千鶴が中心に入って、集合写真のように各々のスマホやカメラで数枚が撮影された。千鶴は自分のカメラの時だけは、より博之にくっ付いてポーズを取った。博之はこの機会にツーショットを撮ろうと、
「佐藤さん、二人で撮ってくれる?(汗)」
「う、うん。いいよ(汗々)」
千鶴は顔がにやけるのを我慢した。二人はカメラを友達に渡して撮影してもらったが、腕を組む訳にもいかず、ほとんど気を付けをした姿勢で、写真に収まった。
 まあ、何とか写真が撮れて千鶴は溜息をついた。
(明日もこんなふうに写真を撮ろう。修学旅行だもん。誰にも変に思われない)
博之の方をチラッと見ると、博之も千鶴を見ていて、ほんの僅かに安堵の笑みを浮かべた。
(あれ? どうしてこんなに気を使わなくちゃいけないの?)

作品名:映画 戦国生徒会 作家名:亨利(ヘンリー)