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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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映画 戦国生徒会

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 夕方、小さな旅館に着くと、部屋割りが実施された。
「先ず女子4名は、一階の8畳の部屋を使ってください」
と上坊が仕切った。
「あとは二階に、8畳と14畳の部屋があるんですが、男子は先生を入れて登山部が6名で、映画が7名と運転手さんなので、5人と9人にシャッフルしたいと思います」
「明日の撮影の打ち合わせとリハーサルもしたいので、映画スタッフだけで集まりたいんだけど」
「なら、ワシがそっちの部屋に行こう」
と登山部顧問が言って、登山部員だけが8畳に5人で泊まることになった。

 夕食のため、映画スタッフが泊まる14畳の部屋に、座卓3つが持ち込まれた。料理も安く上げていたのでお粗末な上、多少窮屈な状態ではあるが、女子を固まらせず配置して、場は大いに盛り上がった。当然アルコールは先生方だけだが。

 食事の後、女子から順番に風呂に入ることになった。登山部も部屋に戻り、映画スタッフがくつろいでいると、登山部の顧問が、ふと思い付いたように部屋を出て行った。
廊下でドタバタと走る音が聞こえ、顧問が戻ってきて襖を開けるなり、
「あいつら風呂覗きに行きよった!」
 その瞬間、全員が跳び上がり、風呂場へ向かって走り出した。
(野崎賢斗) 「えっえええ? これどうするの? 俺らも覗きに行くの?」
(近藤彰正) 「バカか! 止めさせるんだよ」
(杉田時生) 「だよなー」

 大浴場と言っても、5〜6人でいっぱいになる大きさの貸切露天風呂だが、旅館裏手の山林に回れば、木板で囲われた塀の上からは、丸見えの構造になっていることは容易に想像出来た。
 女子たちに気付かれては大ごとだ。ヒロインもそこにいる。映画スタッフは、これが原因で出演を辞退でもされたらと必死になって駆け付けた。
(木田博之) 「クマさん、待って! バレたらおしまい!」
(クマ先生) 「音を立てるな!」
 まるで全員が風呂を覗きに行くかのように、忍び足で山林側に回ると、登山部のメンバーは正に今、塀を乗り越えるべく、人櫓を組もうとしているところに出くわした。
(中川豊)  「しー!」
風呂場に自分の彼女がいる1年生桐谷が、デジカメを手に上に登ろうとしていた登山部員を引きずり下ろした。

作品名:映画 戦国生徒会 作家名:亨利(ヘンリー)