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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
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映画 戦国生徒会

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第10章: 夏休み突入



 撮影は7割ほど完了していたが、撮り残したシーンはまだまだある。中川と近藤がみんなに夏休み中の予定を聞いて、撮影スケジュールを立てた。
(近藤彰正) 「このスケジュールは絶対だからな。休むなよ」
と博之は念を押された。
(杉田時生) 「結構、飛び飛びの日程になってるけど、みんな忙しいんだな」
(福田悠人) 「8月2日、3日の『山』って何だい?」
(中川豊)  「登山部の上坊が、撮影に協力した代わりに、登山部の活動にも参加しろって言うもんだから、仕方なく乗鞍高原に行くことにした」
(近藤彰正) 「ついでにタイトルバック用の御来光を撮影しようと思ってな」
(木田博之) 「そりゃ、ご苦労なことっスな」
(近藤彰正) 「何言ってんだ。キッドも行くんだよ。俺ら三人で」
(中川豊)  「山頂で朝日に向かって、生徒会長印を天高くかざすんだ。すごいだろ」
(木田博之) 「何のためにだよ」
(津田柚華) 「それなら映画スタッフの合宿にすればよかったのに」
(中川豊)  「それも考えたんだけど、みんなお金がないだろ」
(佐藤千鶴) 「一泊ぐらいだったら、何とかなるでしょ」

 そして、夏休みに突入した。
 一日中撮影が出来るので、撮影は快調に進んでいる。大人数のシーンは休み前にほとんど撮り終えていたが、個人のカットばかりが残っていた。中川は一人ひとりの予定に配慮して、撮影スケジュールを組んでいた。それでも撮影の日は、7〜8人が集まり、みんなで、一人でカメラに写る出演者の演技を見守った。
 博之のケガも良くなり、アクションシーンも近藤の演出どおりこなすことが出来た。みんな演技することにも慣れて、NGを出すことも少なくなっていたが、博之は相変わらず、台詞が下手なままだ。
(津田柚華) 「キッド君、そろそろ台詞の練習を本格的にしないと、アフレコが大変よ」
(近藤彰正) 「アフレコはBGMとかSE(効果音)もあるから結構時間かかるからな」
(中川豊)  「お盆までにはクランク・アップしないと間に合わん」
文化祭は10月中旬なので、博之はまだまだ余裕と思っていたが、製作サイドはやることがいっぱいあるのだ。

作品名:映画 戦国生徒会 作家名:亨利(ヘンリー)