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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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映画 戦国生徒会

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「私、なんであんなこと言っちゃったんだろ」
「仕方ないよ。いろいろ悩んでたんだから」
「そうよ。向こうも後悔してるはずだわ」
クラスメートたちは、まるで母親のようにやさしく手を握り、肩をなでながら話した。
「私帰るわ」
「家に?」
「うん」
「そうした方がいいわ」
「みんなで送るから」
香織は一人でも大丈夫と言ったが、三人に付き添われて早退した。

 その後、香織は誰もいない自宅で一人になり、自分の愚かさを冷静に噛み締めることとなった。そして、自分のベッドの上で、うつ伏せに横たわり、今までのことを思い返してみた。

 博之に対しての不満は何だったのか。
(会ってくれないこと?)
でも、香織は会わないと言われたことなどない。映画を見に行こうと誘った時も、都合のいい日に振り替えてくれたし、博之がケガで休んだ時も、自宅に見舞いに行かせてくれた。
(会う回数が少ないこと?)
毎日学校では会っている。クラスが離れてから、すぐ近くにいられないだけ。
(会ってる時間が短いこと?)
体操部は週に二日だけだったのに、映画を撮り始めたから毎日忙しくなって時間が合わなくなった。
(映画なんか撮り始めたから、自由な時間がなくなった?)
テニス部は毎日、土日も練習がある。もともと時間に融通が利かなかったのは香織の方。
(撮影のことばかり話してくることは?)
映画のことじゃなくて、一緒にいる友達とのエピソードを話していただけ。香織もテニス部のことをよく話題にしていた。

(なぜ、別れようなどと言ってしまったの?もちろん本心じゃない!)

 スマホの待ち受けに保存していた博之の写真を見た。
「もし本当に別れちゃったら、ヒロ君の写真もここに飾れないの?」
と言って、また涙を流した。

(ヒロ君は何も変わっていなかった。私が厚かましくなってきてたんだ)
涙が止まらなくなってしまった。
(暫くして落ち着いたら謝ろう。ヒロ君ならきっと許してくれるはず)

作品名:映画 戦国生徒会 作家名:亨利(ヘンリー)