映画 戦国生徒会
第9章: 後悔と反省
美術室前の廊下に取り残された香織は、涙を我慢しきれずに壁の方を向いたまま、肩を上下に震わせていた。クラスメートが三人駆け寄って、
「カオ! しっかりして!」
「あっち行こう」
取り囲むようにその場から連れ去り、校舎の外に連れ出した。
廊下の様子がおかしいと気付いて様子を見に、生活実習室から出てきた生徒の中に津田がいた。その様子を目撃して、
「どうしたの、何があったの?」
その場にいた野次馬から、ことの成り行きを聞いて驚いた。
外に出た香織たちは、そのまま自分たちの教室へ戻って行った。
「うええーん」
「木田君ヒドイよね」
「そうよ。置き去りにするなんて」
教室までの道すがら、泣いて抱えられるように歩く女子を、多くの生徒が目撃していた。
始業のチャイムが鳴ったが、生活実習の授業は受けられる状況じゃない。誰もいないホームルームに着くと、香織を椅子に座らせ、
「カオ。取り合えず落ち着こうか」
三人は香織の手を握って、深呼吸するように促した。
「私、わたし、わあああーん」っっつ(涙)
暫く泣き止む気配がなかったので、一人が飲み物を買いに行った。
香織は嗚咽をこらえて、必死に泣き止もうとしたが、自分の愚かな一言が取り返しのつかないことになってしまい、涙を止めることができない。
お茶を買ってきた一人が戻る頃には、声を上げることはなくなっていたが、手で顔をこすって化粧はメチャクチャになっていた。三人はティッシュで涙を拭って、目尻に滲んだアイラインを拭き取ってやった。
ペットボトルからお茶を少し飲むと、呼吸を整えることが出来て、少し落ち着きを取り戻せた。
「もう、大丈夫?」
「ぅ、・・・うん」
香織は、しゃっくりをしながら頷いたが、誰も次に言葉を掛けることは出来ないようだ。