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荏田みつぎ
荏田みつぎ
novelistID. 48090
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それから(それからの続きの続き)

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まあ、音楽仲間の『また一緒に・・』というのは、今日は好い天気ですね という挨拶程度のものだから、俺は、まったく期待などしていなかった。
だけど、数日後、その声を掛けてくれた人が、次の日曜日に・・と、実際に誘って来た。
「はい、宜しくお願いします。でも、あまり期待しないで下さいよ。俺、上手くないですから・・」
と返事をして、
(あっ、しまった・・!)
と。
次の日曜日は、荒れている社長の実家の畑の草刈りをすると約束していたのだ。
俺は、立ち去って行く同業さんを追いかけた。そして、事情を話し、またの機会に・・という事で了承して貰った。

日曜日。
俺は、家の近くまで迎えに来てくれた容子さんの車に乗る。
「・・さんばんくん、楽器が弾けるんじゃとね・・」
「えっ? ・・ああ、賢治か・・」
「うん、賢治君から聞いたんよ。あの子、わたしに、さんばんくんの事を時々話してくれるんよ。」
「そうですか・・」
「迷惑・・?」
「あ、いや・・迷惑だなんて・・」
「そう言いながら、迷惑そうじゃね。」
「・・」
「でも、心配せんでも、ええけんね。もうこれ以上、近付かんけん・・」
「・・」
「その代わり・・、もし、さんばんくんの気持ちが、わたしに近付いたら・・言うてくれる? ・・正直に、言うてくれる・・?」
「はい・・ どうも、すみません・・」
「ええんよ・・気にせんでも・・。ごめんね、迷惑じゃろ? 出戻りに好かれて・・」
「いや、そんな・・ 俺、そんな目で、容子さんを見てませんよ。ただ、正直に言うと、今の俺、誰と一緒になっても、上手く遣れるし、誰と一緒になっても、消化不良になるという、中途半端な状態なんです。だから、そんな時に、深い付き合いなどすると、相手に失礼かなと思うんです。・・これは、容子さんに対してばかりじゃなくて・・誰に対してもですけど・・」
「・・あんた、真面目過ぎるんよ。たまには、賢治君を見習いんさい。」
「俺が、真面目・・ですか?」
「うん。ただの真面目じゃない。過ぎたるは・・の真面目よ。」
「ありがとうございます。」
「・・?」
「一応、褒められたのかなと思って・・」
「ははは・・ 相変わらず上手いね・・」