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股野 特大
股野 特大
novelistID. 38476
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桃色詐欺メール

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ビビッと震えて彼女からのメールが来た。
心臓がバクバクする。

「おっきい~!
 ヒロくんておっき~のね!
 いやらしいわ~
 でも素敵!」

 僕は下半身を見せつけといて

「そんなことないよ~
 ポリポリ^^;」
 なんて、どこかで嬉しい自分の気持ちを素直に出したメールを送った。


 男は大きいと言われると素直に喜ぶ。それが誰と比べてるのか、どのサイズと比較してるのは分からないが、とりあえず最上級の男の褒め言葉になるものだから、ますます調子に乗ってしまう。
 デヘヘ・・・とバカ丸出しのスケベ笑いしながら返信を待つと、手に持った携帯が鳴った。
つき合ってる典子からだった。
 心臓・・・ドキッ!
 受信にするといきなり「なにしてるの~?」だった。

 
何をしてるもどうも、見知らぬ奥さんとエッチなメールで盛り上がり、パンツ一丁で自撮りしてたんだぜ~・・・なんて言えない。
「あ~、別に」
「何よその冷たい言い方」
 男は急にまずいことが起こると不機嫌な声にならざるを得ない。ごまかしだ。
「いや、ほんとに別に飲んでるだけだよ」
「お家で?」
「ああ、家飲み。おとなしくしてる」
「エッチなビデオ見てたんでしょ?」

 ドキッ!
 ビデオじゃなくメールなんだとも言えない。
「見てないよ。そんな気分じゃないんだ」
 見知らぬ奥さんのメールで勢い固く膨らんでいた下半身が縮んでいく。それは咄嗟の身体反応か?
 悪事を隠そうとする子供のようにあそこは縮んでいった。
「明日さ~、友達と飲みに行くから夜はいないからね」
 たった、そんだけのことで電話してくんなよ~・・・・
「あ~、わかった行っておいで」
「あれ?普段は誰と行くんだとか聞くくせにどうしたのよ?」
「そ、そうか・・元気ないんだ今日は」
(さっきまで下半身膨らませパンツ1枚の撮影はどこ行った?)
「そう、元気だしてね。で、なんで落ち込んでんの?」
(さっさと切ってくれよ、それどこじゃないんだよっ!)
「いや、別に・・・疲れたのかな・・もう寝るわ」
「なんか、ほんとに元気ないみたいね。ヒロっ・・・おやすみ」
「おやすみ」
 電話はそこで終わった・・・・ふぅ~~~~。おいおい、バッドタイミングなんだよっ!



 急いで携帯メールをチェックする。
 我ながらこの代わりようは無様だ・・・。

「ヒロくん、私のも送ってあげるけど
 絶対よそで見せちゃダメよ
 約束してくれる?」

 先程の典子の電話から一転、また急にムクムク下半身が起き出した。ゲンキンなチンコだ。

「もちろん!
 約束します!
 ここだけの二人の秘密ですよね^^」

ニンジンを目の前にぶら下げられた馬と同じだ。今さえ良ければなんでも約束する。
典子への対応とこうも変わるのかと自分の馬鹿さぶりに呆れる苦笑いだ。

返信を待つ時間が長く感じる。
どんなのが送ってくるんだろ?
典子で萎びたチンコは完璧に近い状態で固くなった。

ビビっ・・!!

キタァーーー!!

そして、それは約束どおり自撮りの写真だった。
赤いパンティを露わにしたM字開脚のリクエストに100%近く答えてくれるポーズだった。
なんて大胆なんだ・・・。
僕は顔が写ってない、その写真を見ながらセックスレスという奥さんを想像した。
どういう人物なんだろう?
町のレンタルビデオ店の成人コーナーに並ぶ、開脚のお姉さんのパッケージのような姿でいきなり知り合った見知らぬ男と面白いからと写メを交換する。それもきわどいエッチなやつを。
普通の主婦ならありえない。
だけど、彼女は面白いからと好奇心で僕のリクエストに答えてきた。
ノリがいい女?
ちょっとバカ?
そう言うなら自分だってそのまま、バカでノリがいい男だ。
似た者同士が偶然間違いメールで意気投合なんてありえるのか?
やっぱり詐欺?
いやいや、もう詐欺はないな。こうやってこんな写真まで貰えるんだから。

「お姉さん アリガトーーー
 エロくて魅力いっぱいの写真です
 興奮してます
 出会えて良かったです!^^」

我ながら馬鹿いっぱい広げた返信メールを送っている。



作品名:桃色詐欺メール 作家名:股野 特大