桃色詐欺メール
「あはっ 見透かされてるみたいね^^
そうよ刺激のない毎日に今夜は
楽しんでるの?
あなたもなんでしょ?」
キタァーーー・・なんだか乗ってきてるぞ。僕はすっかり詐欺のことなんか忘れて熟女系の暇を持て余した少し危険な奥様を頭に描いて、次のメールを打ち始めた。
「刺激って言葉いいですよね
ほんとに普段、刺激って
なかなか体験できないっすよね
今夜はどんな姿でメールしてるんですか?
エッチな姿を想像してるんですけど」
もうこうなると強引に桃色系に持っていって楽しむ方が面白い。
乗ってくれればいいんだが・・と僕は思わず身を乗り出して熱心に携帯の指を動かしている。
「ふふん いやらしいわね
男はいつもエッチなことしか
頭にないのね・・
いいわ教えてあげる
あなたの想像通り、ノーブラでエッチな姿よ
下着は赤
これで私の事 想像できるでしょ?」
そのメールを見た僕は今度は怪しく思えてきた。
普通の主婦がいきなりこんなエッチな会話に即座に答えてくるのか?
貰った答えとしてはワクワクものだが、あまりにも簡単に事が運びすぎる。
おかしなものだが「上手いことには裏がある」とつい年齢を重ねたせいか用心深くなっている僕がいる。しかし、このメールの先にある読めない展開に興味が惹きつけられているのも事実だ。
まあ、見知らぬ相手・・・面白ければいいか・・・
「お酒飲んでますか?
僕も飲んでます
ご主人とは上手くやってますか?」
返信が即座に来た。
「あはっ 私も飲んでるよ^^
主人とはセックスレス
もう歳だしね 仕方ないか
ヒロくんはしてるの?お盛んに?」
「セックスレス」という都合のいい単語が飛び出るなんて・・・誘ってるのかな?
まあいいや・・・
僕の頭の中は勝手に桃色暴走族に変身しちまってる。
「じつはご無沙汰 あっちの方は
欲求不満かな~
お姉さんもじゃない?
見知らぬ同志
エッチな会話で盛り上がるなんて
なんかドキドキしますね」
いつの間にか自分の本音を素直に書いてるじゃないか・・自分に笑う僕がいた。
「そうよね 変よね(笑)
顔が見えないって大胆になれるわね
私もドキドキしてるよ
エッチなこと忘れてたわ」
返ってきた返信メールに僕は大きく息を吸い込んだ。
ますますリアルにこのメールの向こうで暇を持て余した欲求不満の人妻が相手なんだと妄想が広がっている。
三流エロ本の漫画のような展開だ。
僕はすっかり詐欺のことなんて頭から外れていた。
よし、もう少し大胆に書いちゃえ・・・!
「せっかくだから
お姉さんの下着姿見たいな
ここだけの秘密にするからお願い」
ダメもと覚悟で僕は送ってみた。
直ぐに返事は来なかった。
呆れて中止したのだろうか?
それとも僕のリクエストに応えて セルフ写真を撮影してるのだろうか?
5分経ち、ちょっと急ぎすぎたかなぁ~・・という反省の色が出始めた時、携帯にメールが着信した。
「ヒロくんが言うから撮ってみたけど
やっぱり恥ずかしいわ
それに私だけなんてズルい
ヒロくんも頂戴!」
wwww 撮ってたんだぁ~・・・
僕は彼女の撮影姿を想像した。さっきから膨らんでた僕の下半身は更に固くなった。
こんなことってある?と自分で催促しといて興奮している。
しかし、僕の写真?
どんなに撮れば、気に入ってもらえるんだ?
相手は少し歳上のお姉さん、そして暇を持て余したエッチな主婦。
(勝手に想像してる)
いきなり下半身を露骨に見せるのも露出狂で品がないだろ。
(もう品なんてあるはずがない)
僕は考えた挙句、ボクサーパンツの下着1枚になり、思いっきりお腹を凹まし腹筋が目立つようにしてセルフタイマーで写メをした。深夜近くに裸になり、下半身をもっこりさせてポーズを決め自撮りするなんて誰にも見せられない姿だ。自分ながら笑いが出る。詐欺メールに用心してたのはすっかり忘れ、いつの間にか相手から要求されたエッチな写真を送ろうとしている。冷静に考えたら馬鹿なことなんではあるけど僕はすっかり見知らぬ相手との桃色遊びにハマっていた。
顔を写さないどこかの貧弱なボディビルダーのようなポーズの自分が撮れた。
相手からの反応に見せようかどうか躊躇する。
雑誌のモデルには程遠い、筋肉なんてどこについてるのかわからないような写真だ。
ダメだ・・・これはダメだ・・・(ダメに決まっている)
ええぃ!思い切って、下半身のもっこりした部分だけを大きく編集機能でカットした。
これならぶよぶよだらしないお腹は見えないし、筋肉じゃないがまあまあ大きく固く膨らんだ自分のイチモツが隆々としている。
一人で葛藤して諦めたというか、ごまかしたというか結局、局部を写した下着写真になってしまった。
僕はそして、彼女の催眠術にかかったようにそのあられもない写真を送ってしまった。
それは彼女のエッチな写真を見たいという願望のエネルギーに押し流された格好だ。
ちょっと恥ずかしい気分で送信を押した僕は、もう一杯飲まずにいられなかった。