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CLOSE GAME

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 サトルも、ベッドの上にあったゲームをしていたらしい。
「交通事故で、入院中だったんだ」
 ちょっと部屋を出て、戻ってきたらベッドの上にゲームがあった。
「最新のオンラインゲームだと思って……」
 スイッチはONだったらしい。
 問われるままに質問に答えて、ゲームを始めたのは就寝時間を過ぎてから。黙々とゲームを進めていくがなかなか仲間が集まらない。
(オンラインじゃないのかな?)
 そう思い始めた時に、ボクらの悲鳴を聞きつけて……。
「キミたちを助けるために飛び出して、奴の攻撃を背中の盾に受けた瞬間に、“あれ?”」
 さっきまでゲーム機を握っていた手に、剣が握られていた。音だけだった筈の攻撃に物凄い衝撃を体感して、触れたボクらの体温を感じて、
「夢かと思った」
 らしい。
 でも、受けた衝撃の痛みは本物で、ボクの発作も本物で、とりあえず、考える事が出来る場所への移動を考えた、というのだ。
 ベッドの上にスイッチの入ったゲーム機。
「ボクとおんなじっ!」
 ボクの言葉にサトルの左手が差し出されて、ボクらは握手を交わした。
「オープニングは、見た?」
 ユウタがサトルの顔を覗き込む。
 一瞬、ボクの顔を見たサトルが、左手を顔の前で振った。
「Aボタンを連打しちゃったから、オープニングは……」
 かっ飛ばした、ということだ。
 その言葉にユウタが溜息をつく。“どうしたの?”とばかりに、ユウタを指差したままサトルがボクの顔を見た。
「この冒険の意味、わかる?」
 ユウタに訊かれて、サトルが首を傾げる。
「ここは、ぼく達の“望むもの”が手に入る世界」
 オープニングで言われた言葉を口にするユウタ。
「“望むもの”?」
「サトル。キミの望むものは、何?」
「僕の、望むもの……」
「ぼくらは、“元の世界に帰る”っていうのが望みなんだ」
 “ね?”と微笑むユウタにちょっと戸惑いながら頷くボク。
 こことは違う次元にあるボクらのいた“元の世界”。そこに戻るためには、この世界を統べている“統治者”の許可が必要らしい。だから、その“統治者”がいるという“果て”へと行かなければならない。ゲームの内容が内容だけに、冒険は必須事項なんだろう。
「ここにいれば、望むものが手に入る、の?」
 サトルが眉をしかめてボクらを交互に見る。
「ぼくは、そう聞いた」
「タカヒサは?」
作品名:CLOSE GAME 作家名:竹本 緒