ワタシタチ。
キャラメル
パソコンの横に置いてあった12粒入りのキャラメル
食べようと手を伸ばし
音を立ててがっかり
これが最後の一粒だった
空き箱を綺麗にたたんでゴミ箱へと案内
噛むとその都度やっぱり奥歯にくっつく
離れたくないの 離したくないの
舌を使ってもなかなか離れてはくれないし
でも私にはその方法しか思いつかないから
ずっとずっと繰り返す
「可哀想」とあなたは言う
ひとりで食べた最後のキャラメル
あなたと一緒に食べた時よりも
なかなかすぐに溶けてはくれなかった
名残惜しそうに、
忘れないでほしそうに
口の中で残るあまい嘘
キスする度にひとつずつバレてほしいと
密かに考えていた
甘い、痛い
時々何度も思い出す
そんな日々で、いいと思う。
こんな日々を、いいと思う。
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『キャラメル』/ meluco.