ワタシタチ。
コバルトブルー
転んで擦りむいた右足で
私は空き缶を蹴っ飛ばした
「地球は青かった。」
空から海月が降ってきた午後
地下街へと続くエスカレーター
誰かと視線が交差した
この人は自分のことをよく知っている
割れた親指の爪を人差し指でいじりながら
ヒビの入ったiPhone画面に視線を落とす
最寄り駅に着きたくない
約束も守らない
お店に並べられたスニーカー
その紐全てほどいていくのはどうだろうか
二人で怒られよう
ただもう少しだけ一緒に居たいだけなんだ
あの子のコバルトブルー色の瞳は
今日も彼のことだけを見つめていた
そして彼はこう言ったそうだ
「地球は青かった。」
君も見てみるかい
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『コバルトブルー』/ meluco.