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道化師 Part 2

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「龍成がヤクザだから、やっぱり怖い?」
裏稼業の射水の事を俺が怖がっていると勘違いした鷺沼さんに違うと首を振る。
「あの男、射水が怖いわけじゃない。俺は、好きな人が危険な場所に身を置いてることを、サクヤさんはどうなのかと」
俺の言葉が意外だったのか僅かに驚くが優しく微笑み
「どうなんだろう。サクヤも同じ場所に身を置いてる方だからね。お互いの後ろを任せられる相手なんだと思うよ」
そっかとそんな相手がいることが少し羨ましくも感じた。
もう少し鷺沼さんと話しがしていたくて、悪戯っぽく囁いてみる。
「鷺沼さんは、木島さんとだろう?苦労するね」
そんな俺に鷺沼さんも悪戯っぽく、亮が俺に見せたがらない部分を教えてくれる。
「亮は、あんなワイルド感出してるけど、以外と子供だし、臆病」
「嘘、俺いつも虐められてばかりなのに、大人の余裕ばかり見せつけられて」
腹が立つと拗ねた表情をする俺にけらけらと笑い
「亮はヒロ君の事、弟みたいに思ってるから、兄の余裕を見せたいんだよ」
「鷺沼さんに会う日は、木島さん遠足前の小学生みたいなんだぜ。めっちゃ笑える」
年齢を重ねても、修羅場を何度潜り抜けていたとしても、臆病になる事、考えても答えが見つからない事も、それは、大人とか子供とか関係ないのだと、今の俺の気持ちを慰めてくれる。
亮の事をあれこれ話すうち、落ち着いてきた俺は、
「鷺沼さん、ありがとうございます。俺、何も出来ない自分が不安でたまらなかったんだ。でも、もう大丈夫。一人じゃない鷺沼さんたちがいるんだと、俺に教えてくれたから信じて待つよ」
でも、俺にもできることはさせてほしいと、少し我儘も言った見たが、ちゃんと勉強してあの子が帰ってきたら優しく抱きしめてあげなさいと優しく頭を撫ぜる手に俺は癒されていく。

鷺沼さんが今日はここに泊まるって言うから、ベットにって言うと
「ヒロ君、誘ってるの?」
なんて色っぽく言われ
「ごめんなさい、俺、木島さんに殺される!」
ブランケットを鷺沼に渡し、先に寝ますとリビングを離れ、ベットに潜り込んだ。精神的にも疲れていたのか俺はすぐに深い眠りへと落ちて行った。

作品名:道化師 Part 2 作家名:友紀