光と影
扉を開けて
何もない、真っ暗な空間
もちろん窓なんてない
闇の中でぼんやりと
一つドアがあるだけ
不思議とぼんやりとそこだけが
浮かびだしてる
僕は部屋の片隅で
ドアが開くのを待っている
ずっと…
他のドアを探す事もしなかった
『楽しい事を見つけてごらん』
あの人がいつも言っていたのに
『花がほころぶ様に笑って』
あの人を見上げて笑えたのに
『さぁ、一緒に行こう』
あの人はいつも手を差し伸べてくれたのに
臆病になっていた僕
開くのを待つドアじゃダメなんだね
僕自身が開けるドアじゃないと
一歩踏み出すんだね
蹲っていても何も変わらない
手を前に伸ばしてみるよ
自分の肩を抱きしてばかりの手を
そっと開いてみるよ
その先にあの人が腕を広げて
待っていてくれるかもしれないから