光と影
桔梗・・・永遠の愛
暦は秋を促すが
まだまだ夏は健在
昼は蝉が
最後の演奏とばかり精をだす
夜は秋を呼ぶ虫の音が
ひんやりとした風を連れてくる
1年前に君が抱えていた鉢植え
ベルベットのようなしっとりとした
紫の衣を纏った桔梗
君の白い肌に映え美しかった
君は俺に似た花だと言う
君は俺への気持ちだと言う
その時は深く考えず
二人で庭に植えた
俺の嫌いな漆黒の髪
漆黒の瞳
君は好きだと微笑んでくれる
俺は君の色素の薄い
髪や瞳が好きだ
君は願い事を託し髪を伸ばし始めた
願いは何?と尋ねても
笑って誤魔化すばかり
懐かしい
恋しい
庭に咲く桔梗に君を重ねる
さらさらと柔らかい滑らかな髪に
指を絡ませ
桔梗の花弁のようにしっとりとした肌に触れ
君を…
音を為さない唇から漏れる吐息
言葉を唇に乗せゆっくりと紡がれる
俺への思い
俺も君への思い
この唇で君の唇に乗せよう
愛してると