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白と黒の天使 Part 2

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まっちゃんと雑談して意識してその写真の事を頭の隅に置き、気持ちを落ち着かせていた。
一時間程経った頃、勝美さんから今仕事完了、いつもの店でと返事が来た。
僕は、広海と愁に『DESTINO』に行くとラインを入れ、まっちゃんと学園を出た。

『DESTINO』運命というその店の名前、光一さんや勝美さんと出会い連れて行かれた店。そこから僕の人生は変わっていった。
二人と会う時は決まってこの店、落ち着いた雰囲気の安心できる場所になっている。
後から聞いた話によるとこの店のオーナーは勝美さんの弟さんの店だった。勝美さんとは似ても似つかない可愛らしい容姿の大人しい男性、勝美さんが溺愛するのも分かる気がした。

店のドアを開けるとマスターが、和かに「いらっしゃい、奥にいるよ」と、教えてくれる。
まっちゃんは、店が見え始めた頃から興奮している。自分の好みの外観、中に入れば穏やかなBGMが体を包み込み、深く息を吐きリラックスしていく体を感じる事に瞳がウルウルしてきている。
「まっちゃん、泣かないでよ。もう、可愛んだから」
僕はそんな彼を見て苦笑する。感受性の強い彼は色んな事に感動し、それを素直に態度に出すから可愛く、羨ましい。

奥のテーブルには何故か愁達と光一さんもいた。
「兄さん、どうしたの?光一さんも?」
愁はわざわざ席を立ち、僕の腕を掴むと奥に僕を座らせその隣に自分も腰を下ろす。必然的にまっちゃんは通路側の一人席、光一さんの向かい側の席になった。
「勝美さん、ごめんね。ほんとに今日は仕事終わったの?無理してない?」
勝美さんだけじゃなく、光一さんも含め愁達も、僕を最優先する。僕に気を使わせないために用事が無いと嘘をつき、僕の用事を済ませた後、仕事に行ったりする事が多い。
「友紀ちゃん、今日はほんまに終わったから。だから飲みに行く算段してたんや」
「それでみんないるの?」
そういう事と愁は僕の腰に腕を回し抱き寄せる。
「ところで友紀ちゃん、そこの彼を紹介してくれへんか」
僕は、まっちゃんの事をわすれていた。
「まっちゃん、ごめん。えっと僕の部活の友達の松田忠臣君」
緊張して支えながらもまっちゃんは、よろしくお願いしますと頭を下げる。
「俺は光一、隣が勝美でまっちゃんの両隣が愁と周や」
まっちゃんは両隣がを交互に見て、
「こっちが広君の彼氏で、こっちが友紀ちゃんのお兄さんでいいのかな?」
そんなまっちゃんの頭に周が手を乗せヨシヨシと撫ぜる。
急な行動にビックリしたが、優しい仕草にフニャと笑う。
「友紀ちゃんからの呼び出しやて珍しいな、どないしたんや?」
勝美さんが、話の口火を切ってくれたから、僕は部室での事を話した。
「まっちゃん、その写真見せてみ」
勝美さんに携帯の画像を見せると、勝美さんの顔色が険しい物になっていく。隣にいた光一さんも愁達も覗き込む。
「友紀、広海はこの写真見たか?」
周の質問に首を横に振り答える。広海は周に何か相談してるのだろうと、そして、きっと僕が思っている事は正しいと、写っている人が戸川秋乃だという事を確信した。