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白と黒の天使  Part 1

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広海に、教室に入る前に今日、時間があるか聞かれ、話をしたいと言われていた。友紀には内緒のようなので、話を合わせ今ここにいる。
「友紀には内緒で友紀の話をして平気か?」
「外にベラベラ喋ると言うなら、話は無しだ」
「俺の中に納めろと言うことだな、わかった」
「咲良は、ホントに友紀の親友になるつもりがあるか?俺は、一生、離れても周と一緒に友紀を見守り、助けていくつもりだ」
「ずっとか、凄いな、俺はまだわからないな。俺の一番は弟だから、それでも、友紀とは長い付き合いをしたいとは思っている」
わかった、と広海は話し出す。
「友紀と愁兄が苗字が違うと聞いてきただろ、二人は血の繋がりはない。友紀を愁兄の父親が引き取ったんだ」
「引き取ったって、友紀の親は?」
「友紀は親に見捨てられ、死にかけてるところを愁兄に助けられた。小学生の間は孤児院にいたけど、中学生になる機会に一緒に住む事になったんだ。」
「見捨てられたって置き去りって事か?」
「愁兄の親父が母親見つけて会ったけど、母親はまだ生きてるのか、あんたなんかいらないと言ったそうだ」
ふざけるなと咲良は悔しそうに唇をかんでる。
「それに、母親にも、母親が連れこむ男から日常的に虐待されていたんじゃないかと言っていた。だからなのかもしれないが、暴力的な事に異常な怯えを見せるし、親に愛された事がないのを自分が不必要だったからと思っているみたいだな」
「友紀が悪いわけじゃないだろう」
「咲良、声がでかい。ちょっと声を抑えろ」
ごめんと俯いた咲良は泣いていた。

「そして、友紀は愁兄を特別に思っているってことだ。でも、それを愁兄に知られると嫌われると思い込んでる。愁兄は明らかに友紀を特別に思っているのにな」
「友紀の事が気になったのが、わかった気がする。俺の弟も虐待されていたんだ。同じ空気を纏っているのかもな」
そうか、弟の事を守ってやれよなと広海は咲良なら友紀を悲しませないだろうと思った。
「話は終わりだ、友紀だけじゃなく、俺ともよろしくな。さて、飯にでもするかな。友紀を呼んでくるよ」
広海の後ろ姿を目で追いかけながら、咲良は友紀を守る仲間になる許可を貰えたんだとホッとし、緊張していた体の力を抜いた。