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文目ゆうき
文目ゆうき
novelistID. 59247
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睡蓮の書 四、知の章

INDEX|40ページ/48ページ|

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 カムアは目を見開いた。もし呑まれてしまったら、ラアが別人になってしまうかもしれない。大いなる力を持ちそれを扱う彼が、ラアと同じ姿でしかしカムアのよく知る彼自身と違うとき、カムアはそれをラアだと認識できるだろうか。ずっと求めてきたあの、唯ひとつの星の主である彼だと。……そうでなければ、意味がないのだ。ラアでなければ――。
 カムアは懇願するようにラアの姿を求めた。炎の渦に包まれてときおり覗くラアのその瞳は、炎の輝きの中でよりいっそう闇色を際立たせていた。