森尾理沙は○○がお好き?
「あとは、プチとした感覚とプツッと糸を切るハサミの音が四回。先生が、ステンレス製のソラマメのような形をしたトレイ(ステンレス膿盆[のうぼん])に 道具を置いたから『四針縫ったんだ』ってホッとしました。ちらっと見たら、いっしょに血で汚れたガーゼとか乗っていて、終わったって」
「よかったね」
そういうのが、精一杯だった。
「終わったって、思ったら、化膿止めとかの注射を打たれて、また痛かったの」
「そ、そうなんだ。大変だったね」
「はい。でも、看護師さんの包帯の巻き方や、その後日、先生が消毒した後の処置が手早くて、優しくて 通院もさほど嫌でなかったです。それで、抜糸!」
「も、もういいから、続きは今度の楽しみにしておこうかな」
僕も、森尾理沙も、その後の業務に取り掛かって過ぎていった。
作品名:森尾理沙は○○がお好き? 作家名:甜茶